1. 最新の年金受給額データ

まずは、最新のデータである、2024年度末の年金受給額の実態を確認していきます。

1.1  年金受給額の実態

厚生労働省による統計である「厚生年金保険・国民年金事業統計年報」の最新データによると、老齢厚生年金保険の年金月額階級ごとの受給権者数は男女合計で以下のようになっています。

老齢厚生年金保険の年金月額階級ごとの受給権者数

老齢厚生年金保険の年金月額階級ごとの受給者数

出所:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業統計」

  • 5万円未満:1.9%
  • 5万円以上10万円未満:19.3%
  • 10万円以上15万円未満:31.2%
  • 15万円以上20万円未満:31.3%
  • 20万円以上25万円未満:14.6%
  • 25万円以上30万円未満:1.6%
  • 30万円以上:0.1%

1.2 年金受給額が月額10万円未満の割合

上記の統計によると、年金受給額が月額10万円未満、つまり年額120万円未満である受給権者の割合は21.2%です。年金受給者全体のうち、5人に1人以上が月額10万円未満の年金額で生活をしていることがわかります。

収入が「10万円未満」と聞くと、それだけでかなり少なく感じられますが、年金受給額は額面通りの金額がそのまま受け取れるわけではなく「受給額」から住民税や健康保険料などが控除されるため、実際に振り込まれる金額はさらに少なくなります。

そのため、受給額が10万円未満の場合、年金収入だけで生活をするのはかなり苦しい状況になることがわかります。