3.2 公的年金「年金積立金」はどのように運用されている?
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は年金積立金の運用で安定的に資産を増やすことに成功しています。
どのような運用をしているのか覗いてみましょう。
3.3 公的年金「年金積立金」の基本ポートフォリオと2024年12月末時点の構成割合
基本ポートフォリオ
- 国内債券:25%
- 外国債券:25%
- 国内株式:25%
- 外国株式:25%
2024年12月末時点の構成割合:資産額合計260兆4273億円
- 国内債券:25.51%(66兆4256億円)
- 外国債券:24.58%(64兆46億円)
- 国内株式:24.99%(65兆739億円)
- 外国株式:24.93%(64兆9232億円)
上記のとおり、国内外の債券と株式に均等に投資することを基本とし、実際にこれに従い運用を行っていることが分かります。
一般的に株式と債券は逆の動きをすると考えられています。また為替と国内株式の関係においても、円安・株高、円高・株安と考えられていることから、国内外の債券にバランス良く配分することでリスクも分散効果も得られるのです。
4. まとめにかえて
現在、2025年5月16日に国会に提出された年金制度改正法案をもって審議が進められています。
国民年金(基礎年金)の給付額を底上げするために、厚生年金の積立金を財源として流用しようという案があがったものの、「それならば厚生年金受給権者の給付額をあげてほしい」といった声があがり、この案は見送りとなっています。
今後の年金制度改正の行方に注視していきましょう。
本記事では、年金積立金の運用成績と運用状況もご紹介していきました。
運用がスタートしてから一時的にマイナスになったり、収益がでない時期もありますが、年率約4%と安定して運用していることがわかります。
個人の資産運用においても参考にできる運用方法ではないでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「積立金の役割」
- 厚生労働省「令和5年度 年金積立金の運用状況について」
- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「2024年度第3四半期運用状況(速報)」
- 厚生労働省「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案の概要」
和田 直子