2025年7月25日に厚生労働省が発表した「令和6年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。長い目で見ると、男女ともに少しずつ寿命が延び続けていることが分かります。
- 昭和30年(1955年) 男63.60 女67.75 男女差4.15
- 昭和40年(1965年) 男67.74 女72.92 男女差5.18
- 昭和50年(1975年) 男71.73 女76.89 男女差5.16
- 昭和60年(1985年) 男74.78 女80.48 男女差5.70
- 平成7年(1995年) 男76.38 女82.85 男女差6.47
- 平成17年(2005年) 男78.56 女85.52 男女差6.96
- 平成27年(2015年) 男80.75 女86.99 男女差6.24
- 令和6年(2024年) 男81.09 女87.13 男女差6.03
これからの人生がより長くなることを考えると、現役のうちからしっかりと貯金や資産づくりをしておくことが大切です。
また、老後にかかる生活費や公的年金の平均受給額を理解しておくことで、老後を安心して過ごせるようになるでしょう。
この記事では65歳以上・無職夫婦世帯の「生活費」や「平均貯蓄額」、そしてシニア世代の「平均年金額」について詳しく見ていきます。民間企業の退職金事情についても紹介しますので、ぜひご覧ください。
1. 65歳以上の無職夫婦世帯「1ヶ月の家計収支」は赤字なのか
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支を見てみましょう。
毎月の実収入:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円
毎月の支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590円
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- うち諸雑費:2万2125円
- うち交際費:2万3888円
- うち仕送り金:1040円
■うち非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
- 3万4058円の赤字
この世帯の支出総額は28万6877円で、そのうち社会保険料や税金などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる生活費にあたる「消費支出」が25万6521円となっています。
一方、月間収入は25万2818円で、その約9割(22万5182円)を社会保障給付(主に公的年金)が占めています。
上記はあくまで平均的な数値ですが、65歳以上の無職夫婦世帯では、毎月3万4058円の赤字が生じており、その分を貯蓄の取り崩しなどで補う必要があります。
そこで次に注目したいのが、「無職年金世帯」の貯蓄状況です。
次章では、65歳以上世帯の貯蓄額データを見ていきましょう。