2. 国家公務員の申込者数は減少?
国家公務員は毎年安定した人気を誇る職種ですが、申込者数は減り続けています。
現在行われている春の総合職採用試験は申込者数1万2028人と、昨年度(1万3599人)に比べて11.6%減少しています。昨年度秋の試験との合計は1万6762人で、前年(1万7613人)から4.8%減少しました。
過去の申込者数についても、2016年ごろから減少傾向です。
理由としては、業務内容に対する給与額の低さや、長時間労働などの労働環境の厳しさなどが挙げられます。「ワークライフバランスを充実させたい」という考え方から、過酷な労働環境を避けたい人が多いようです。
実際、現役の国家公務員の仕事は、勤める省庁や業務によっては激務です。とくに国会対応への不満が大きくなっています。人事院の調査によると、2021年度時点で31の府省が「国会対応への超過勤務の状況は前年度と全く変わっていない」9府省が「悪化した」と回答しています。
超過勤務は心身の故障などを招き、私生活にも影響をおよぼすものです。申込者数を増やすためには、各省庁の超過勤務を改善する施策が求められるでしょう。
次章では採用試験の申込倍率を見てみます。