4. 国家公務員が就職先として人気な理由
国家公務員が就職先として人気なのは、以下のような理由が考えられます。
- 雇用が安定している
- 福利厚生が充実している
- 公共のために働く仕事でやりがいを感じられる
それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
4.1 雇用が安定している
国家公務員の大きな魅力として「雇用の安定性」が挙げられます。国家公務員の雇用主は国です。そのため、経済情勢や業績による人員削減などが行われず、解雇される可能性が低くなっています。
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によれば、労働者の離職率の平均は15.4%です。一方、人事院の「令和5年度 年次報告書」によれば、国家公務員の離職率は7.7%と平均離職率の半分以下です。
国家公務員も長期的な無断欠勤や入札談合への関与などがあれば懲戒免職の対象となりますが、不当な理由で解雇されることはそうありません。
転職が盛んになった現代でも、安定した雇用は国家公務員の魅力のひとつといえるでしょう。
4.2 福利厚生が充実している
福利厚生の充実具合も、国家公務員の人気の理由のひとつです。健康保険や年金制度、夏期休暇や病気休暇などの休暇などが用意されており、健康、老後の備えが万全です。
また、手当も充実しています。住居手当や通勤手当のほか、都心のような民間賃金の高い地域に赴任した国家公務員に支給される地域手当、在宅勤務時に支給される在宅勤務手当など、さまざまなものがあります。
とくに役職によって約4万円が支給される本府省業務調整手当は、民間企業では用意されていない手当です。
手当を含めた給与の平均(月額)は41万4801円となっており、民間企業の平均給与月額である38万3333円(※)よりも3万円多くなっています。
手当の充実は、給与の高さにも直結しており、安定した収入が得られるといえるでしょう。
※国税庁「令和5年度民間給与実態統計調査」の1年を通じて勤務した給与所得者の1人あたりの平均給与「460万円」を月額換算したもの。
4.3 公共のために働く仕事でやりがいを感じられる
「公共のために働ける」という公務員ならではの職務性質も、人気の理由といえるでしょう。人事院が2024年度の新規採用職員にアンケートをとったところ「国家公務員になった理由」の回答として、以下のような結果を得ています。
- 公共のために仕事ができる:73.6%
- 仕事にやりがいがある:56.3%
- スケールの大きい仕事ができる:54.9%
- 性格・能力が適している:31.7%
- 堅実で生活が安定している:18.6%
- キャリア形成として有効である:18.1%
- 専門性を身に付けることができる:12.0%
- 職場の雰囲気がよい:11.7%
公共のために仕事ができることが7割超、仕事へのやりがいが約6割となっています。多くの職員が、国家公務員になった理由として「仕事の性質」や「やりがい」を挙げているのです。
とくに国家公務員は国政の運営に携わる仕事であり、民間企業や地方公務員では経験できない業務が複数あります。業務のスケールも大きく「国の運営に関与できている」ことを実感しやすい職種といえるでしょう。
次章では国家公務員の主な出身大学について解説します。