1.1 国家公務員の人数・組織
国家公務員は、公務員のうち約59万人です。公務員全体の人数は339万3000人で、全体の17.4%を占めます。地方公務員は全国各地で働いているため、国家公務員と比べると人数は少ないです。
一般職・特別職の人数はほぼ変わりません。約29万人が、給与法の適用対象である省庁職員や検察官などです。そして、残り約30万人が、大臣や裁判所職員、国会職員といった特別職です。
行政組織は、内閣のもとに各種省庁を設置する形式をとります。
気象庁や国税庁、海上保安庁などはすべて各省におかれる「外局」に分類されます。なお、会計検査院のみ、内閣からは完全に独立した機関です。
1.2 国家公務員の役割
国家公務員の仕事は、以下の3点が根幹です。
〈生活を守り豊かにするニーズの探索〉
- 地域から世界、地球から宇宙、未来を見据えたシーズの発掘
- さまざまな声に耳を傾け、必要な政策を模索
〈粘り強く着実な政策の形成・実現〉
- 政策・法令の立案、政策実現のための調整
- 国内にとどまらない世界規模の課題への挑戦
〈公正・確実な政策の実施〉
- 国民への行政サービスを提供するための予算、施設、人員の確保
- 政策の実行、指導、監視、フィードバック
誰もが暮らしやすい社会をめざして政策や法令をつくり、実現に向けてさまざまな調整を行います。政策の実行や監視、フィードバックといった政策実施も国家公務員の仕事です。
市区町村の役所・役場や警察署、学校などで勤務する地方公務員に比べ、国家公務員はどのような仕事をしているのか見えにくいものです。
一方、広い視野や傾聴力、政策の実行力などの能力が求められるため、国家公務員は国政運営において重要な役割を持っているといえるでしょう。