5. 国家公務員の申込者数は減少?
2024年度春の国家公務員一般職試験の申込者数は2万4240人で、前年から2079人(7.9%)減少しています。また、総合職は1万3599人で、前年から773人(5.4%)減少しています。
過去の申込者数についても、2016年ごろから減少傾向です。
理由としては、業務内容に対する給与額の低さや、長時間労働などの労働環境の厳しさなどが挙げられます。とくに国会対応への不満が大きいようです。人事院の調査によると、2021年度時点で31の府省が「国会対応への超過勤務の状況は前年度と全く変わっていない」と回答しています。また、9府省が「悪化した」と回答しており、国家公務員の超過勤務改善は喫緊の課題となっています。こうした過酷な労働環境の早急な改善が求められるでしょう。
6. 国家公務員の仕事は私たちの暮らしにかかわる重要なもの
国家公務員は「国家・国民にかかわる責任感ある仕事ができる」「スケールの大きなことを任せてもらえる」といった点が人気の職種です。一方で「給与水準を引き上げてほしい」「超過勤務や深夜労働を減らしてほしい」といった切実な希望も職員から挙がっています。
国家公務員の仕事は、国の今後の歩み方や国民の暮らしに影響するものです。責任は大きいですが、今後の社会がよりよくなるためには、欠かせない役割を持っているといえるでしょう。
参考資料
- 人事院「国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)(教養区分を除く)」
- 人事院「国家公務員の紹介」
- 人事院「2024年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表」
- 人事院「2024年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)及び専門職試験(大卒程度試験)の合格者発表」
- 人事院「2024年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)教養区分の合格者発表」
- 人事院「2024年度総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)出身大学別合格者数一覧」
- 人事院「総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート」
- 人事院「2024年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)及び専門職試験(大卒程度試験)の申込状況」
- 人事院「2024年度国家公務員採用総合職試験の申込状況について」
- 自由民主党「[国家公務員給与法]公務員全体の処遇改善が必要」
石上 ユウキ