大卒程度の国家公務員採用総合職試験の受付が、2月3日から始まっています。3月から5月にかけて試験が行われ、5月30日に合格者が発表される予定です。大卒程度の一般職については、6〜8月中に試験が開催される予定です。

国家公務員は、就職の選択肢としていつの時代も安定した人気を誇ります。「安定している」「福利厚生が充実している」といったイメージが根強いですが、学生や社会人で国家公務員試験を受ける人は、どういった理由で国家公務員になろうと考えたのでしょうか。

この記事では、国家公務員が人気を誇る理由について、新任職員の声を交えて解説します。また、職種としての国家公務員の役割や出身大学、採用課題なども解説します。

1. 国家公務員の役割

公務員は、憲法で「全体の奉仕者」と定義される職業です。国や人々の生活を支え、経済・福祉・医療・環境、インフラといったさまざまな公的サービスを提供します。

国家公務員は、そのなかでも国の業務に従事する職業です。各省庁で働く職員に加え、内閣総理大臣や国務大臣、最高裁長官といった人々も国家公務員に該当します。

国家公務員の仕事は、以下の3点が根幹です。

〈生活を守り豊かにするニーズの探索〉

  • 地域から世界、地球から宇宙、未来を見据えたシーズの発掘
  • さまざまな声に耳を傾け、必要な政策を模索

〈粘り強く着実な政策の形成・実現〉

  • 政策・法令の立案、政策実現のための調整
  • 国内にとどまらない世界規模の課題への挑戦

〈公正・確実な政策の実施〉

  • 国民への行政サービスを提供するための予算、施設、人員の確保
  • 政策の実行、指導、監視、フィードバック

誰もが暮らしやすい社会をめざして政策や法令をつくり、実現に向けてさまざまな調整を行います。政策の実行や監視、フィードバックといった政策実施も国家公務員の仕事です。

国家公務員に求められる力は「広い視野」や「社会的課題を解決する力」「責任感のある意思決定力」などです。国家公務員は、国の方向性や私たちの生活に直結する物事について整理、改善、決定などをします。スケールの大きな仕事ゆえに、日々難しい判断を迫られることでしょう。国民が求めるものは何か、どうしたら社会がより良くなるかをさまざまな視点で考えられる力や、責任を持って意思決定できる力が必要とされます。

次章では採用試験の申込倍率を見てみましょう。