3. 老後の生活費はいくら必要?
公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦の最低限の生活費として「20~25万円」が必要と答えた世帯が最も多く、平均は月額23万2000円でした。
また、老後は現役時代より時間に余裕ができるため、旅行や趣味を楽しみながら、より充実した生活を送りたいと考える人も少なくありません。そこで、ゆとりのある老後生活に必要な費用についても同調査で確認すると、その平均額は月額14万8000円でした。
「老後の最低日常生活費」と「老後のゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は、平均37万9000円となっています。
参考までに、令和7年度の最新の年金額は標準夫婦で23万2784円ですが、これだけではゆとりある老後生活費には届いていません。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
なお、標準夫婦とは、「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))」の給付水準です。
現代では夫婦共働き世帯も増えていることから、夫婦ともに厚生年金に加入しているならモデル年金額よりも多くの年金を受給できる場合もあるでしょう。
では、夫婦ともに厚生年金期間中心の夫婦なら、前述の「ゆとりある老後生活費」をクリアできるでしょうか。
厚生労働省の資料から、多様なライフコースに応じた年金額を見ていきます。