3. 特殊勤務手当を比較

教育職・警察職どちらも特殊な勤務の際には特殊勤務手当が受け取れます。教育職では災害対応や修学旅行・大会の引率などで手当が支給されます。警察職では前述のとおり犯罪予防活動や捜査といった業務が手当の支給対象です。

職員1人あたりの手当支給額と、10年間での手当額の推移を見てみましょう。

小・中学校教育職

  • 職員1人あたりの特殊勤務手当額:2665円
  • 2014年時点と比較した支給額推移:△288円

高等学校教育職

  • 職員1人あたりの特殊勤務手当額:4586円
  • 2014年時点と比較した支給額推移:△244円

警察職

  • 職員1人あたりの特殊勤務手当額:7834円
  • 2014年時点と比較した支給額推移:△1171円

1人あたりの特殊勤務手当額は教育職が5000円以下、警察職は7000円程度となっています。しかし、2014年時点の金額からはどの職種も減っており、警察職は1000円以上減少しています。

時間外勤務による手当が増加し、特殊勤務への手当が減少しているというのは、決して望ましいことではないでしょう。公務員の処遇改善は、喫緊の課題といえます。

4. まとめ

教育職と警察職では警察職のほうが給与が高いですが、内訳は手当の高さによるものでした。基本給自体は教育職のほうが高くなっています。

地方公務員は1994年をピークに2016年まで減少し続けました。現在は微増していますがほぼ横ばいに近い状況です。職員数の減少を止めるには、給与や手当に加えて働き方の見直しが必要でしょう。

参考資料

石上 ユウキ