地方公務員というと、多くの人が市区町村の役所・役場の職員を思い浮かべるのではないでしょうか。地方公務員には、行政職員以外にもさまざまな職種があります。

なかでも身近なのが、学校の先生や警察官です。公立学校の教師や警察署、交番職員はすべて地方公務員に該当します。

地方公務員の教育職や警察職の人は、どれだけの給与を毎月受け取っているのでしょうか。この記事では、小学校・中学校の教育職、高校教育職、警察職の平均月額給与を比較します。

1. 地方公務員の役割

地方公務員は、地方の公的機関で働く公務員を指します。地方の公的機関には、都道府県庁や自治体の役所・役場のほか、公立学校、警察署、病院、保育所などが含まれます。

地方公務員の役割は、地方自治体の行政サービスの提供と運営です。人々の暮らしや安全、教育、医療といった生活にかかわるさまざまなサービスを提供します。インフラ整備やゴミの収集、学校での授業などには、すべて地方公務員が携わっています。

地方公務員と国家公務員の違いを見てみましょう。

【写真全4枚中1枚目】地方公務員と国家公務員の違い、2枚目以降で、地方公務員《教育職・警察職》の給与や特殊勤務手当などを比較

地方公務員と国家公務員の違い

出所:人事院「国家公務員の紹介」総務省「地方公務員の区分について」をもとに筆者作成

1.1 〈国家公務員〉

  • 職業の概要
    国家機関に勤務し、国の政治運営や国民全体にかかわる仕事を行う
  • 主な職種
    ・各省庁職員
    ・国税専門官
    ・財務専門官
    など
  • 代表的な勤務先
    ・各省庁(総務省、財務省など)
    ・裁判所
    ・衆議院事務局
    ・参議院事務局
    など

1.2 〈地方公務員〉

  • 職業の概要
    地方自治体に勤務し、自治体の行政サービスを提供する仕事を行う
  • 主な職種
    ・市区町村職員
    ・看護師
    ・保育士
    ・教師
    ・消防士
    ・警察官
    など
  • 代表的な勤務先
    ・市区町村
    ・市区町村立病院
    ・市区町村立保育園
    ・都道府県立・市区町村立の学校
    ・都道府県警察署
    ・市区町村の消防署
    など

国家公務員と違って市区町村民との距離が近く、より密接に連携しながら地域の運営にかかわっています。

では、次章では教育職・警察職の給与を比較してみましょう。