4. 世帯ごとの生活意識の違いと資産額の違い
前述のとおり、世帯の住民税が非課税となる所得額は低いです。所得が低いと、当然収入も決して多くはないと考えられます。一方で、資産が十分にあればたとえ所得が低くても、生活に困窮する可能性は低いでしょう。
4.1 生活意識の違い
厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概況」によれば、高齢者世帯と子育て世帯とでは、生活へのゆとりに対する意識が異なるようです。
調査対象となった約7000世帯のうち、生活にゆとりがあると答えた人はわずか4.6%、普通だと答えた人は35.8%、苦しいと回答した人は59.6%となっています。世帯の約6割が経済的な生活の苦しさを訴えています。
内訳を見てみると、高齢者世帯で生活が苦しいと感じている人は全体の59%、児童がいる世帯で生活が苦しいと感じている人は65%です。
同調査で示している世帯ごとの平均所得は、高齢者世帯が約305万円なのに対し、児童のいる世帯は約813万円で、両者の所得は2倍以上の差があります。にもかかわらず、生活が苦しいと感じているのは子育て世帯なのです。