ここ最近続く物価の上昇によって、皆さんにはどんな影響が出ていますか?
例えばスーパーに行って買い物に行った際に、「この野菜高いなぁ」と感じる場面があるかもしれませんね。
モノの値段が上がることで、自ずと買い物に必要なコストが大きくなり、結果として生活が苦しくなったと感じる方も多いのではないでしょうか。
10月10日に日本銀行が公表した「生活意識に関するアンケート調査」(第99回<2024年9月>調査)の結果」によると、1年前と比べて暮らし向きにゆとりがなくなってきたと回答した方は、全体の半数を超えて52.7%という結果になっていました。
また、同調査の中で「5年後の物価は上がるかどうか」という問いに対して、「かなり上がる」と「少し上がる」と回答した方の合計は83.6%となっており、今後も引き続き厳しい環境が続くと考えている方が多いようです。
今回は、いま年金を受け取っている60歳〜89歳の方の年金受給額の平均値について確認していきます。
実際に受け取っている方の年金受給額を確認することで、老後の資金準備に向けたヒントが見つかるかもしれませんね。
1. 国民年金と厚生年金は「2階建て」公的年金の仕組みをおさらい!
今回は年金制度の基本のおさらいから始めましょう。
日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)」「厚生年金」の2種類から構成されるため、「2階建て構造」などと呼ばれますね。それぞれの年金制度について概要を確認していきます。
1.1 1階部分:国民年金(老齢基礎年金)
1階部分に当たる「国民年金」は基礎年金とも呼ばれる、年金制度のベース部分。
日本国内に住む20歳から60歳未満の全ての人が、原則として国民年金の加入対象です。国籍は問いません。
国民年金保険料は全員定額(※1)で、480カ月の全期間、未納なく保険料を納めた場合、老後に国民年金の満額(※)を受給できます。
※【2024年度月額】国民年金保険料、および国民年金の満額
- ※1 国民年金保険料:1万6980円
- ※2 国民年金の満額:6万8000円
※1、2は毎年度見直しがおこなわれます。
1.2 2階部分:厚生年金(老齢厚生年金)
2階部分に当たる「厚生年金」は、会社員や公務員、またパートやアルバイトで一定要件を満たした方などが、国民年金に上乗せして加入する年金です。
厚生年金保険料は、報酬(給与・賞与)に保険料率をかけて計算され、納付済の年金保険料で受給額が決まります。
基本的には「多く稼ぎ(上限あり)、長く働いた人」ほど、年金が増えるしくみなので、実際の受給額は個人差が出ます。
次では、厚生年金・国民年金のそれぞれの平均年金月額を「1歳刻み」で見ていきます。