2025年8月8日に株式会社帝国データバンクが発表した、2025年6月分の「カレーライス物価指数」調査によると、1食あたり440円となったことがわかりました。

昨年同月の調査と比較すると+111円、33.7%増と3割を超える大幅な上昇となりました。

このような物価高騰が続く中、目先の生活費だけでなく、将来の備えのために資金を確保していくのは難しいと感じている人もいることでしょう。

今回は、1歳刻みでの年金支給額の目安を紹介するとともに、現役時代に知らないと差がつく年金知識についても解説します。

1. 日本の公的年金は、働き方によって受給できる年金が異なります

日本の公的年金制度は2階建て構造といわれます。

1階部分が「国民年金(基礎年金)」、2階部分が「厚生年金」です。まずは、公的年金制度の基本について確認してみましょう。

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厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 《1階部分》国民年金

  • 加入対象者:原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が加入
  • 年金保険料:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(2025年度の月額は1万7510円)
  • 受給額:保険料を40年間欠かさず納付すれば満額(2025年度の月額は6万9308円)

1.2 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入

  • 加入対象者:会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所(※1)に働き一定要件を満たした人
  • 年金保険料:収入に応じて(上限あり)変わる(※2)
  • 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり

※1 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人(職業や国籍は問わない)が原則加入し、支払う年金保険料は一律です。

一方、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入する厚生年金は、収入に応じた年金保険料を支払うという違いがあります。

2. 【物価高騰対策】2025年度の年金額は+1.9%増額して支給されています

年金額は毎年度改定されますが、2025年度の年金額例は以下の通りとなっています。

2.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

2025年度は前年度に比べて1.9%の増額となり、国民年金は満額で月6万9308円です。

厚生年金は「会社員の夫と専業主婦(国民年金のみ)の妻」の世帯をモデルとして、月23万2784円です。

3. 【年金一覧表】『厚生年金』平均年金月額 60歳~90歳以上で1歳刻み

厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、平均年金月額を年齢ごとに確認してみましょう。

まずは厚生年金です。

3.1 【60歳代(60〜69歳)】厚生年金の年金一覧表

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

3.2 【70歳代(70〜79歳)】厚生年金の年金一覧表

  • 70歳:厚生年金14万4773円
  • 71歳:厚生年金14万3521円
  • 72歳:厚生年金14万2248円
  • 73歳:厚生年金14万4251円
  • 74歳:厚生年金14万7684円
  • 75歳:厚生年金14万7455円
  • 76歳:厚生年金14万7152円
  • 77歳:厚生年金14万7070円
  • 78歳:厚生年金14万9232円
  • 79歳:厚生年金14万9883円

3.3 【80歳代(80〜89歳)】厚生年金の年金一覧表

  • 80歳:厚生年金15万1580円
  • 81歳:厚生年金15万3834円
  • 82歳:厚生年金15万6103円
  • 83歳:厚生年金15万8631円
  • 84歳:厚生年金16万59円
  • 85歳:厚生年金16万1684円
  • 86歳:厚生年金16万1870円
  • 87歳:厚生年金16万2514円
  • 88歳:厚生年金16万3198円
  • 89歳:厚生年金16万2841円

3.4 【90歳以上】厚生年金の年金一覧表

  • 90歳以上:厚生年金16万721円

※厚生年金には国民年金部分が含まれる。

※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。

年金受給開始年齢は一般的に65歳からですが、65歳以降で見ると、厚生年金の平均年金月額は14~16万円台でした。

4. 【年金一覧表】『国民年金』平均年金月額 60歳~90歳以上で1歳刻み

次に国民年金を確認します。

4.1 【60歳代(60〜69歳)】国民年金の年金一覧表

  • 60歳:国民年金4万3638円
  • 61歳:国民年金4万4663円
  • 62歳:国民年金4万3477円
  • 63歳:国民年金4万5035円
  • 64歳:国民年金4万6053円
  • 65歳:国民年金5万9599円
  • 66歳:国民年金5万9510円
  • 67歳:国民年金5万9475円
  • 68歳:国民年金5万9194円
  • 69歳:国民年金5万8972円

4.2 【70歳代(70〜79歳)】国民年金の年金一覧表

  • 70歳:国民年金5万8956円
  • 71歳:国民年金5万8569円
  • 72歳:国民年金5万8429円
  • 73歳:国民年金5万8220円
  • 74歳:国民年金5万8070円
  • 75歳:国民年金5万7973円
  • 76歳:国民年金5万7774円
  • 77歳:国民年金5万7561円
  • 78歳:国民年金5万7119円
  • 79歳:国民年金5万7078円

4.3 【80歳代(80〜89歳)】国民年金の年金一覧表

  • 80歳:国民年金5万6736円
  • 81歳:国民年金5万6487円
  • 82歳:国民年金5万6351円
  • 83歳:国民年金5万8112円
  • 84歳:国民年金5万7879円
  • 85歳:国民年金5万7693円
  • 86歳:国民年金5万7685円
  • 87歳:国民年金5万7244円
  • 88歳:国民年金5万7076円
  • 89歳:国民年金5万6796円

4.4 【90歳以上】国民年金の年金一覧表

  • 90歳以上:国民年金5万3621円

※65歳未満で受給している国民年金の受給者は繰上げ受給を選択した方。

65歳以降の国民年金の平均年金月額は、いずれの年齢も5万円台でした。

5. 年金受給額の平均や1万円刻みの受給権者数は?厚生年金と国民年金でチェック

年齢ごとの平均年金月額は確認しました。では、全体の平均年金月額はいくらなのでしょうか。

厚生年金と国民年金の平均年金月額と、1万円刻みの受給権者数も確認してみましょう。

5.1 「厚生年金」の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金部分を含む

年金月額階級ごとの受給権者数

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

厚生年金の平均年金月額は、全体で14万6429円でした。

男女別に見てみると、男性は16万6606円、女性は10万7200円となっています。

また、1万円刻みにおけるボリュームゾーンを見ると、100万人を超えているのは年金月額が「9万~12万円未満」および「16万~19万円未満」でした。

5.2 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額

国民年金は以下の通りです。

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

年金月額階級ごとの受給者数

  • 1万円未満:5万8811人
  • 1万円以上~2万円未満:24万5852人
  • 2万円以上~3万円未満:78万8047人
  • 3万円以上~4万円未満:236万5373人
  • 4万円以上~5万円未満:431万5062人
  • 5万円以上~6万円未満:743万2768人
  • 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
  • 7万円以上~:227万3098人

国民年金の場合、平均年金月額は全体・男女とも5万円台です。

金額ごとに見てみると、「6万円以上~7万円未満」が最も多く、次に「5万円以上~6万円未満」、「4万円以上~5万円未満」と続いています。

6. 年金受給額を調整できる制度、「繰上げ受給」「繰下げ受給」とは?

一般的な老齢年金の受給スタート年齢は65歳ですが、この時期は繰上げ・繰下げ受給の制度を活用することで「60歳~75歳」の間で調整ができます。

  • 60歳~64歳で減額された年金を受け取る「繰上げ受給」
    • 減額率:繰り上げた月数×0.4%(最大24%)

  • 66歳~75歳で増額された年金を受け取る「繰下げ受給」
    • 増額率:繰り下げた月数×0.7%(最大84%)

厚生年金(国民年金部分を含む)の平均月額は14万6429円。今回は本来の年金額が「15万円」だった場合を想定し、受給開始年齢が「60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳」だった場合の累計年金受給額を見ていきます。

6.1 60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳《各年齢での累計受給額》

70歳・75歳時点での累計受給額は繰上げ受給が有利ですが、80歳では65歳からの受給、85歳以降は繰下げ受給が最も多くなっていきます。

一度決まった繰上げ・繰下げの減額率・増額率は生涯変わりません。繰上げ受給を選択した場合、65歳以降も減額された年金額が続く点を心得ておく必要があるでしょう。

また、繰下げ受給で年金額を増やした結果、税金や社会保険料の負担が増える可能性があるのも意外な盲点かもしれません。

資産状況や健康状態と相談しながら、自分にとって最適な受給開始タイミングを検討しましょう。

※特別支給の老齢厚生年金には繰下げ受給の制度はありません。

7. 【豆知識】年齢別に見る医療費 80歳代から高くなる理由は?

シニアライフを考える上で忘れてはいけない支出が医療費です。

厚生労働省の調査によると、年齢が上がるにつれて1人当たりの医療費は右肩上がりに増加していくことがわかります。特に80歳代を超えると大きく跳ね上がり、90歳以上では年間100万円を超える水準になるのが特徴的です。

年々医療費はかさむ傾向にあります14/15

年々医療費はかさむ傾向にあります

出所:厚生労働省「医療給付実態調査報告」

その背景には、70歳代までは「外来診療(通院)+調剤」の割合が中心なのに対し、80歳代からは「入院+食事・生活療養」の比率が高まることが挙げられます。つまり、日常的な通院に加え、入院や療養が必要になるケースが増えるため、医療費全体が一気に膨らんでいくのです。

高齢期の生活では、医療費の支出が家計に大きな影響を与えることは避けられません。長寿化が進むなかで、元気なうちから将来の医療費をどう備えるかを考えることが安心につながります。医療保険なども一つの選択肢として検討してみるとよいかもしれません。

8. 【ご参考】8月初めて受け取る方へ「年金額改定通知書」「年金振込通知書」の見方

「『年金額改定通知書』『年金振込通知書』(年金受給者用:はがきサイズ)」について、その中身を確認しましょう。

日本年金機構「『年金額改定通知書』『年金振込通知書』(年金受給者用:はがきサイズ)」15/15

日本年金機構「「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」(年金受給者用:はがきサイズ)」

出所:日本年金機構「『年金額改定通知書』と『年金振込通知書』(年金受給者用:はがきサイズ)」

「『年金額改定通知書』『年金振込通知書』(年金受給者用:はがきサイズ)」では、「年金額改定通知書」部分で2025年度の「国民年金(基礎年金)と厚生年金保険の年金額の合計額(年額)」が確認できます。

「年金振込通知書」部分の「年金支払額」欄では1回に支払う年金額(控除前)を、「控除後振込額」では年金額から社会保険料等(社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額および森林環境税額)を差し引いたあとの振込金額を、それぞれ確認することができます。

参考資料

三石 由佳