75歳になると、それまで加入していた健康保険から後期高齢者医療制度へ自動的に切り替わります。届いた保険料の通知を見て、金額に驚いたという方もいるかもしれません。
厚生労働省が2026年9月9日に公表した令和6年度の後期高齢者医療事業状況報告によると、被保険者数は2005万3945人でした。制度が始まった平成20年度以降で、2000万人を超えたのは初めてです。
被保険者1人当たりの保険料調定額は年8万6933円で、前年度から7955円、10.07%増えました。ただし、これは全国を合計した平均です。保険料率は都道府県ごとの広域連合が決めるため、実際の負担は住んでいる地域によって変わります。
この記事では、令和6年度の実績を確認したうえで、いま課されている令和8・9年度の保険料率と、通知が届いたときに見ておきたい点を順に見ていきます。
1. 【2026年9月公表】後期高齢者医療の被保険者は2005万3945人になった
厚生労働省は2026年9月9日、令和6年度の後期高齢者医療事業状況報告を公表しました。
被保険者数は各月末の年度平均で2005万3945人でした。2000万人を超えたのは、制度が始まった平成20年度以降で初めてです。
1.1 被保険者数は前年度から3.27%増えた
令和5年度の1941万7580人から、1年で63万6365人増えました。令和2年度の1806万5262人と比べると、4年で200万人近く増えたことになります。
内訳を見ると、75歳以上の方が1983万1667人で98.89%を占めます。残る22万2278人は、65歳以上75歳未満で一定の障害があると広域連合の認定を受けた方です。
1.2 1人当たりの保険料調定額は年8万6933円だった
被保険者1人当たりの保険料調定額は、令和6年度の現年度分で年8万6933円でした。令和5年度の7万8978円から7955円、10.07%増えています。
令和2年度からの4年間は7万6000円台から7万9000円台の範囲で動いていましたので、令和6年度の伸びは目立ちます。
収納率は99.47%でした。年金からの天引きで納める方が多いことが、この高さにあらわれています。
2. 後期高齢者医療制度の対象になるのはどんな人か
金額の背景を見る前に、制度の基本を確認しておきます。
2.1 75歳になった日から自動的に切り替わる
後期高齢者医療制度の対象になるのは、75歳以上のすべての方です。65歳以上75歳未満でも、一定の障害があると広域連合に認定された方は対象になります。
75歳の誕生日を迎えた日から資格が切り替わり、それまで加入していた国民健康保険や職場の健康保険からは抜けることになります。手続きの申請は原則として必要ありません。
運営しているのは都道府県ごとに設けられた後期高齢者医療広域連合です。保険料率もこの広域連合ごとに決まります。
2.2 保険料は世帯ではなく一人ひとりに計算される
国民健康保険の保険料が世帯単位で計算されるのに対し、後期高齢者医療の保険料は被保険者一人ひとりに計算されます。
夫婦がともに75歳以上であれば、それぞれに保険料が決まり、それぞれに通知が届きます。
1人当たり8万6933円という数字が「1世帯当たり」ではなく「1人当たり」で示されているのは、この仕組みによるものです。
3. 令和8・9年度の保険料率は全国平均で月7989円になった
令和6年度の実績とは別に、いま課されている令和8年度の保険料率も見ておきましょう。
3.1 均等割額と所得割額の合計で決まる
後期高齢者医療の保険料は、被保険者が等しく負担する被保険者均等割額と、前年の所得に応じて決まる所得割額の合計です。
厚生労働省が2026年4月10日に公表した資料によると、令和8・9年度の全国平均は、均等割額が年5万6083円、所得割率が10.17%でした。
これをもとにした被保険者一人当たりの平均保険料額は年9万5875円、月あたり7989円です。令和6・7年度の月7411円から578円、7.8%増えました。
3.2 令和8年度から子ども・子育て支援金分が加わった
令和8年度からは、医療分とは別に子ども・子育て支援金分が課されています。
全国平均では均等割額が年1351円、所得割率が0.25%で、一人当たりの平均保険料額は年2333円、月あたり194円です。
医療分の賦課限度額は、令和8年度から80万円が85万円へ引き上げられました。上限に届くのは所得の高い一部の方に限られます。
