4. 1人当たり8万6933円の内訳は所得割と均等割でいくらずつか

全国平均の保険料率がわかったところで、実績のほうの内訳も見てみましょう。

4.1 所得割が5万3718円、均等割が3万3217円

令和6年度の後期高齢者医療事業状況報告には、都道府県別の保険料賦課状況を示した表が載っています。

全国計で見ると、被保険者1人当たりの保険料調定額のうち、控除後の所得割が5万3718円、控除後の均等割が3万3217円でした。

所得割のほうがおよそ6割を占めていることになります。所得の少ない方は所得割が小さくなるため、実際の負担は平均よりも軽くなります。

4.2 所得割の計算のもとになる金額は74万9918円だった

所得割の計算のもとになる1人当たりの課税対象額は、全国計で74万9918円でした。

課税対象額は前年の総所得金額等から基礎控除にあたる額を差し引いたもので、年金収入そのものの金額ではありません。

公的年金等控除や基礎控除を引いたあとの数字なので、実際の年金収入はこれよりかなり大きいことになります。

5. 保険料が被保険者1人にかかる医療費に占める割合

集まった保険料と、実際に使われた医療費の大きさも並べておきます。

5.1 1人当たりの保険給付費は89万3070円

令和6年度の被保険者1人当たりの保険給付費は年89万3070円でした。令和5年度の88万8444円から0.52%の増加です。

保険給付費は、療養にかかった費用のうち保険者が負担した分に、高額療養費や高額介護合算療養費などを加えて計算されています。

5.2 保険料は保険給付費の9.73%にあたる

1人当たりの保険料調定額8万6933円を、1人当たりの保険給付費89万3070円と比べると9.73%になります。令和5年度は8.89%でした。

後期高齢者医療制度の費用は、この保険料のほかに公費と現役世代からの支援金でまかなわれています。保険料だけで給付を支えているわけではありません。

6. 通知が届いたら確認したいこと

ここまでの数字をふまえて、手元の通知で見ておきたい点をまとめます。

6.1 均等割額と所得割額の内訳を見る

通知には均等割額と所得割額がそれぞれ書かれています。前年より上がっていた場合、料率が改定されたのか、前年の所得が増えたのかで意味が変わります。

令和8年度は料率の改定と子ども・子育て支援金分の新設が重なった年ですので、内訳を見ないと理由がわかりにくくなっています。

6.2 均等割額の軽減が適用されているか確かめる

所得が一定額以下の方には、均等割額を7割・5割・2割減らす軽減があります。

この軽減は申請ではなく所得の情報にもとづいて判定されますが、所得の申告がされていないと判定ができないことがあります。収入が年金だけの場合でも、申告の要否は広域連合や市区町村に確かめておくと安心です。

6.3 負担が重いと感じたら窓口に相談する

災害や所得の大きな減少があったときには、申請にもとづく減免が用意されています。

後期高齢者医療の収納率は99.47%と高い水準ですが、そのぶん納められないままになると目立ちます。困ったときは市区町村の後期高齢者医療の窓口に早めに相談してください。

7. まとめにかえて

令和6年度の後期高齢者医療制度では、被保険者数が2005万3945人、被保険者1人当たりの保険料調定額が年8万6933円でした。

前年度からの伸びは7955円、10.07%で、直近5年のなかでは大きな動きです。内訳は所得割が5万3718円、均等割が3万3217円でした。

令和8・9年度の保険料率は全国平均で均等割額が年5万6083円、所得割率が10.17%となり、一人当たりの平均保険料額は月7989円です。これに加えて子ども・子育て支援金分が月194円かかります。

料率は広域連合ごとに違い、軽減の有無でも実際の負担は変わります。全国平均はあくまで目安として見ておき、自分の額は届いた通知で確かめておきましょう。

参考資料

安達 さやか