「長く勤めていれば、給与は少しずつでも増えるのでは?」ーそう考える方もいるでしょう。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は477万5000円でした。この調査には、同じ勤め先にどれくらいの年数いるかで区切った集計があります。勤続年数別の平均給与です。
並べてみると、いちばん高いのは勤続30〜34年の750万9000円。勤続1〜4年は347万7000円ですから、403万2000円ぶん高い金額になります。ここまでは、勤続年数が長い区分ほど平均給与も高いという並びです。
ところが、その次に来る「35年以上」は643万1000円でした。30〜34年から107万8000円下がります。そして同じ形が、14に分かれた業種のすべてに出ていました。
どの勤続年数の区分に何人いるのか、事業所の大きさで形が変わるのかも、あわせてみていきましょう。
この記事では、以下の記事の内容も引用・参考にしています。
1. 【勤続年数別の平均給与】最も高いのは「勤続30〜34年」で750万9000円。
まず、土台になる数字から確かめます。
また、国税庁が発表した「令和6年分民間給与実態統計調査」の結果、日本で働く給与所得者の平均給与は477.5万円であると判明しました。このデータを男女別に見ると、男性の平均は586.7万円、女性の平均は333.2万円を記録しており、全体としては緩やかながらも右肩上がりの推移を見せています。
出所:日本の給与所得者「年収600万円以上」は全体の何%?【男女別・年代別の平均給与一覧】もみる
ここに出てくる477万5000円は、全員をならした1つの金額です。同じ調査は、この5136万5699人を勤続年数で8つに分け、それぞれの平均給与も出しています。
1.1 勤続年数別の平均給与(1年を通じて勤務した給与所得者)
- 1〜4年 347万7000円
- 5〜9年 416万9000円
- 10〜14年 470万3000円
- 15〜19年 551万7000円
- 20〜24年 611万5000円
- 25〜29年 688万3000円
- 30〜34年 750万9000円
- 35年以上 643万1000円
1.2 30〜34年までは上がり、35年以上で107万8000円下がる
1〜4年から30〜34年までは、区分が1つ上がるごとに平均給与も上がっています。途中で逆戻りする区分はありません。
ただし、上がり幅はそろっていません。いちばん大きいのは10〜14年から15〜19年へ移るところで81万4000円、次が20〜24年から25〜29年への76万8000円です。反対にいちばん小さいのは5〜9年から10〜14年への53万4000円でした。
その並びが最後の「35年以上」で変わります。750万9000円から643万1000円へ、107万8000円下がりました。全体の平均477万5000円と比べればなお高い金額ですが、1つ手前の区分を上回ってはいません。この107万8000円という下がり幅は、途中のどの上がり幅よりも大きい金額です。
2. 男女どちらも最も年収が高いのは「勤続30〜34年」
次に、同じ表を男女に分けてみます。金額の水準は大きく違いますが最も高い位置は一致していました。
男性は勤続1〜4年が423万円で、そこから上がり30〜34年で831万4000円になります。35年以上は714万3000円で、117万1000円下がります。
女性は勤続1〜4年が273万2000円、30〜34年が509万1000円で、35年以上は425万4000円です。下がり幅は83万7000円でした。
男女の間には、どの区分でも開きがあります。1〜4年で149万8000円、30〜34年で322万3000円です。
男性は金額差が大きく、女性はゆるやかですが、最も高い位置は同じところにあります。
1つ気をつけていただきたいのは、この数字が「同じ人を35年間追いかけたもの」ではないという点です。2024年の暮れに勤続3年だった方と、35年だった方は、別の人です。ですから「自分もこの順番で上がっていく」という読み方にはなりません。
それでも、平均的な推移がわかるでしょう。
もう1つ、ここでの給与は1年間に受け取った支給総額で、給与所得控除を引く前、税金や社会保険料が引かれる前の金額です。手取りではありません。通勤手当などの非課税分も入っていません。賞与も入った1年ぶんの合計です。ご自身の金額を思い浮かべるときは、月々の手取りを12倍したものではなく、賞与を含めた1年の支給総額で見比べてみてください。

