3. 人数がいちばん多いのは勤続1〜4年の1536万人

金額のほかに、それぞれの区分に何人いるかも分かります。

いちばん多いのは勤続1〜4年で1536万2124人でした。全体の29.9%にあたります。次が5〜9年の1107万2757人です。この2つを合わせると、勤続10年に届かない方が51.5%を占めます。

いっぽう、平均給与が頂点になる30〜34年は259万8709人で、8つの区分のなかでいちばん少ない人数です。全体に占める割合は5.1%でした。35年以上は287万7405人の5.6%で、30〜34年より多くなっています。

つまり、750万9000円という金額が出てくる区分は、19.8人に1人です。

男女で分けると、人数の寄り方も変わります。勤続30〜34年にいるのは男性194万9609人、女性64万9100人でした。それぞれ、男性全体の6.7%、女性全体の2.9%にあたります。勤続35年以上では男性216万8644人、女性70万8760人となっています。

4. 【業種別】14業種すべてで、35年以上は30〜34年より低い金額

業種を分けてみると、14業種のすべてで「35年以上」が「30〜34年」を下回っていました。

また、30〜34年が最も多いのは9業種。25〜29年が最も高いのは、「金融業、保険業」「不動産業、物品賃貸業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業」「農林水産・鉱業」の5業種でした。

業種別にみた平均給与の頂点と、35年以上の金額2/2

業種別にみた平均給与の頂点と、35年以上の金額

出所:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第15表 業種別及び勤続年数別の給与所得者数・給与額をもとにLIMO編集部作成

金額そのものは業種で大きく違います。いちばん高い区分は電気・ガス・熱供給・水道業の勤続25〜29年で1115万5000円でした。次に金融業・保険業の25~29年で994万9000円、情報通信業の30~34年で905万5000円、製造業の30~34年で810万8000円、建設業の30~34年で767万8000円などです。

なお、どの業種も一直線に上がっているわけではありません。宿泊業・飲食サービス業は20〜24年から25〜29年にかけて一度下がりますし、農林水産・鉱業も途中で上下します。

5. まとめにかえて

では、ご自身の位置を確かめる手順を置いておきます。

はじめに、いまの勤め先に何年いるかを数えてください。この調査の勤続年数は、12月31日時点で1年未満を切り捨てた年数です。入社日から数えて、上の8つの区分のどこに入るかを見ます。

次に、比べる金額をそろえます。ここに出てきた金額は1年間の支給総額で、給与所得控除を引く前、税金や社会保険料を引く前のものです。給料と手当に賞与を足した合計で、通勤手当などの非課税分は入っていません。月々の金額だけで見比べると、賞与のぶんだけ低く出ます。ご自身の1年ぶんの支給総額と並べてください。

一方で、今回の記事はあくまで平均であり、実際の給与がどうなるかは会社により異なります。

勤続年数が上がったときに何がどう変わるかは、勤め先の賃金規程に書かれています。昇給の刻み、賞与の算定方法、役職に就いたあとの決まり方などです。就業規則や賃金規程は会社ごとに違うので、この記事の数字ではなくご自身の勤め先の定めが答えになりますので確認しましょう。

最後に一つ。今回は勤続年数だけを見ましたが、あくまで勤続年数は年収に影響する一つです。長く勤めるか、勤め先を変えるかなどはどれが正しいという話ではありません。どの道を選ぶかも、選ぶ時期も、そのときの暮らしぶりや職場の事情によって変わってくるものです。あくまで参考としてとらえて、自身のキャリアを考えましょう。

6. 編集部よりコメント

宮野 茉莉子
平均給与は、その区分にいる全員をならした1つの金額です。同じ勤続30〜34年のなかにも幅がありますし、35年以上の区分にも、1つ手前の区分の平均を上回る金額を受け取っている方はいます。

それから、この8つの区分は年齢の区分ではありません。20歳代で勤続5年の方と、50歳代で勤続5年の方が、同じ区分に入ります。転職を重ねてきた方は、年齢が上がっても勤続年数は短いところに並びます。ですから「年を重ねると下がる」という話とも別のものです。

ご自身が当てはまる区分を見つけたら、そこで止めずに、勤め先の賃金規程を1度開いてみてください。昇給の刻みも、賞与の決まり方も、勤続年数が効いてくる場面は会社ごとに違います。自分の金額がどう決まっているかは、統計よりもそちらに書かれています。

参考資料

宮野 茉莉子