シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は日本の鉄道大手である東日本旅客鉄道です。

東日本旅客鉄道の平均年間給与はいくらか

東日本旅客鉄道(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 714.0万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は40.1歳となっており若干ですが40歳を上回っています。平均勤続年数は16.9年となっています。

東日本旅客鉄道の従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で4万7575名。単体で4万人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 運輸事業:4万7163名
  • 流通・サービス事業:202名
  • 不動産・ホテル事業:179名
  • その他:31名

また、連結の従業員数は7万3193名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 運輸事業:5万8846名
  • 流通・サービス事業:6408名
  • 不動産・ホテル事業:4031名
  • その他:3908名

過去5年間の業績動向

過去5年間の連結業績も振り返っておきましょう。

売上高に当たる営業収益は、変化率はともかくとして右肩上がりです。2014年3月期に営業収益が2兆7029億円であったものが2018年3月期には2兆9502億円となっています。

また、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益も他生の凸凹はありますが、増加トレンドです。

今後の注目点

東日本旅客鉄道では7月に中期的な経営戦略である「変革 2027」を公表しています。「変革 2027」では従来の鉄道を中心とした輸送サービスの提供からだけではなく、さらに一歩推し進めた事業展開を提案しています。

今回の「変革 2027」は東北地方だけではなく東京圏の人口減少、また働き方の変化によって自社の経営環境が大きく変化していくという前提を置き、経営の方向性を議論を進めている点に見ごたえがあります。

今後はさらに輸送サービスに加え、生活サービス及びIT・Suica事業に経営資源を重点的に振り分けることで、新たな成長エンジンとしていくことを想定しています。

「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」や「決済プラットフォーム」というと少し難しく聞こえますが、移動と決済を中心に事業展開がされると考えれば、同社の強みが生かされるといえるでしょう。今後の「変革 2027」の展開に注目です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部