年収1000万円というとサラリーマンとしてまずは目標とすべき年収ではないでしょうか。年収1000万もあれば、どういったことができるかなと考えたりもします。年収については仲の良い友人でも簡単に口にすることはできません。したがって、どのくらいの人が年収1000万円を手にしているのかは見えにくいのが実態です。ここでは年収1000万円を稼ぐ人が日本にどれくらいの割合でいるのかを見ていくことにします。

給与所得1000万円超の人数は208万人

国税庁が開示をしている平成28年分「民間給与実態調査」によれば「1年を通じて勤務をした給与所得者」は4869万人います。そのうち、給与所得別に何にいるのかを見ていきましょう。

  • 1000万円超で1500万円以下が152万人
  • 1500万円超で2000万円以下が34万人
  • 2000万円超で2500万円以下は11万人
  • 2500万円超は12万人

したがって、年収1000万円超の人たちの数を合計すると約208万人となります。

1000万円よりも多く稼ぐ人の割合は全体の4%

この208万人という数字をあなたは多いと見ますか、それとも少ないと見ますか。208万人を給与所得者全体の4869万人に対してみるとわずか4%です。

たとえて言うならば、学校の1クラスの人数が50人だとすると(最近だと東京都でも30名程度のクラスは多いですが)、将来1000万よりも多く稼ぐ人はその中の2人!ということになります。こうしてみると少ないと感じる人も多いのではないでしょうか。

米国では年収1000万円以上の家計は全体の30%弱

ところが、米国に目を向けると状況は大きく異なります。一言でいえば「米国人の方が稼いでいる」といえます。「年収1000万円プレーヤーでも大変!米国高所得者層を苦しめる3つの悩み」によれば、米国における年収1000万円以上の層は30%弱、また2000万円以上は全体の6%を占めます。

こうしてみると、日本の年収1000万以上の層と米国の2000万円以上の層が同じ程度の割合というイメージかもしれません。もっとも、物価が上昇し続ける米国とデフレは脱却しつつあるもののインフレが安定的に定着していない日本とでは、この状況が生まれているのかもしれません。年収が多くても物価が高ければ購入できる商品やサービスの数量も限定されてしまいます。

世代別年収1000万円超はどれくらいの割合いるのか

20代、30代、40代、50代といった世代別の給与所得のデータについては、先の国税庁の開示資料にはありませんでした。ただ、企業別には従業員の平均年齢や平均給与所得を知る方法があります。

平均年齢が36歳で平均給与所得が1800万円を超える企業もあります(この企業については後ほど触れます)。そうした企業に勤める従業員は外から見ると羨ましい限りですが、一体どのようにしてそうした企業の給与を知ることができるのでしょうか。

上場企業であれば、有価証券報告書に提出会社(連結グループにおける決算書を提出する会社。いわゆる単体)の従業員の平均年齢と平均給与所得を確認することができます。この資料で、世代別には知ることができませんが、個別の企業で平均給与を知ることができます。

軽く年収1000万円以上出す企業もある

業種によっては社員の多くが年収1000万円をはるかに超える水準を手にしている企業があります。有価証券報告書をもとに従業員の平均給与所得が1000万円を超える企業についてみることは可能です。

以下のリンクでは年収別に企業をまとめてみました。産業ごとやグループ企業ごとに特徴があるように見えます。キーエンスや総合商社、メガバンクグループ、都市銀行、信託銀行、保険グループ、証券グループ、電機メーカー、自動車メーカー、小売り等、様々な企業の年収がすぐに確認できます。

企業別年収の参考記事

まとめにかえて

年収1000万円というのは、誰しも簡単に手にできる年収でないことはお分かりいただけたのではないでしょうか。それは慶應義塾大学や早稲田大学といった名門大学を卒業してもそう簡単ではありません。皆が年収の高い企業に就職することができるわけではないからです。

慶應義塾大学や早稲田大学の卒業生はこれまでは給与の高かった金融機関に中心に就職をしていました。ところが、今後はメガバンクでもリストラの話も出てきており、安泰の就職先ではないことは多くの人がうすうす感じているところではないでしょうか。年収1000万円を手にするために、学歴だけではどうにもならない、何をどうすればよいかを問われるるある時代だともいえます。

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LIMO編集部