3. 在職老齢年金制度

年金収入と給与収入の調整は「在職老齢年金制度」に基づいて行われます。この制度は、収入の合計が一定以上になる場合に年金の一部または全部を支給停止するものです。

3.1 在職老齢年金制度の仕組み

具体的な仕組みは以下の通りです。

  1. 賃金と年金の合計が50万円を超えた場合
    基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2の式によって算出された額が、月々の受給できる年金額となります。
    ※基本月額とは、従来支給されるはずだった年金の月額です
    ※総報酬月額相当額とは、月の給与と賞与など臨時の報酬から算出された、社会保険を計算する際の等級額です
     
  2. 賃金と年金の合計が50万円を超えない場合、年金の支給停止はされません。

在職老齢年金の計算方法のフローチャート

在職老齢年金の計算方法のフローチャート

出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」

年金局の調べによると、2021年度末時点で年金の支給が停止されている人数は約49万人という結果が出ています。

この数字は、65歳以上で在職しながら年金を受給している人口の約17%です。今後、現行の制度のまま高年齢世代の就業者数が増加していくと、この支給停止者数もさらに増加していくことが見込まれます。