2. 2023年時点の最低賃金と2024年度の最低賃金比較表

正式に最低賃金が引き上げられるのは10月頃となりますが、2024年9月5日現在の情報と、現行の都道府県別最低賃金を整理しました。

2023年時点の最低賃金と2024年度の最低賃金比較表

2023年時点の最低賃金と2024年度の最低賃金比較表

出所:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」をもとに筆者作成

<2023年時点の最低賃金と2024年度の最低賃金比較表>

  • 北海道:960円→1010円 5.2%増
  • 青森県:898円→953円 6.1%増
  • 宮城県:923円→953円 5.4%増
  • 秋田県:897円→951円 6.0%増
  • 福島県:900円→955円 6.1%増
  • 茨城県:954円→1004円 5.2%増
  • 栃木県:953円→1005円 5.5%増
  • 群馬県:935円→985円 5.4%増
  • 埼玉県:1028円→1078円 4.9%増
  • 千葉県:1026円→1076円 4.9%増
  • 東京都:1113円→1163円 4.5%増
  • 神奈川県:1112円→1162円 4.5%増
  • 新潟県:931円→985円 5.8%増
  • 富山県:948円→998円 5.3%増
  • 石川県:933円→984円 5.5%増
  • 福井県:931円→984円 5.7%増
  • 山梨県:938円→988円 5.3%増
  • 長野県:948円→998円 5.3%増
  • 岐阜県:950円→1001円 5.4%増
  • 静岡県:984円→1034円 5.1%増
  • 愛知県:1027円→1077円 4.9%増
  • 三重県:973円→1023円 5.1%増
  • 滋賀県:967円→1017円 5.2%増
  • 京都府:1008円→1058円 5.0%増
  • 大阪府:1064円→1114円 4.7%増
  • 兵庫県:1001円→1052円 5.1%増
  • 奈良県:936円→986円 5.3%増
  • 和歌山県:929円→980円 5.5%増
  • 島根県:900円→957円 6.3%増
  • 岡山県:932円→982円 5.4%増
  • 広島県:970円→1020円 5.2%増
  • 山口県:928円→979円 5.5%増
  • 香川県:918円→970円 5.7%増
  • 福岡県:941円→992円 5.4%増
  • 熊本県:898円→952円 6.0%増
  • 大分県:899円→954円 6.1%増
  • 宮崎県:897円→952円 6.1%増
  • 鹿児島県:897円→953円 6.2%増

※ブランクおよび未記載は2024年9月5日現在未決定

今年度は引き上げの目安が全都道府県で一律のため、仮に目安通り引き上げられた場合には、都道府県別の最低賃金の順位は変わらない計算です。引き上げ後の最低賃金では東京が1163円でトップとなる見込みとなっています。

3. 賃金引き上げの推移と今後の見通し

厚生労働省によると、2015年以降の全国の最低賃金加重平均の推移は次の通りです。

2015年以降の全国の最低賃金加重平均の推移

2015年以降の全国の最低賃金加重平均の推移

出所:厚生労働省「地域別最低賃金の全国加重平均額と引上げ率の推移」より筆者作成

<賃金引き上げの推移>

  • 平成27年(2015年)

最低賃金額:798円
対前年度引き上げ幅:18円

  • 平成28年(2016年)

最低賃金額:823円
対前年度引き上げ幅:25円

  • 平成29年(2017年)

最低賃金額:848円
対前年度引き上げ幅:25円

  • 平成30年(2018年)

最低賃金額:874円
対前年度引き上げ幅:26円

  • 令和元年(2019年)

最低賃金額:901円
対前年度引き上げ幅:27円

  • 令和2年(2020年)

最低賃金額:902円
対前年度引き上げ幅:1円

  • 令和3年(2021年)

最低賃金額:930円
対前年度引き上げ幅:28円

  • 令和4年(2022年)

最低賃金額:961円
対前年度引き上げ幅:31円

  • 令和5年(2023年)

最低賃金額:1004円
対前年度引き上げ幅:43円

  • 令和6年(2024年)

最低賃金額:1054円(見込み)
対前年度引き上げ幅:50円(見込み)

新型コロナウイルス感染症拡大による経済悪化の影響を受けた2020年度を除くと、概ね10円~50円程度の引き上げが毎年実施されています。2024年度と2015年度を比較すると、およそ32%賃金が引き上げられた計算です。

また、足元はインフレの進行や世の中の賃上げの流れも踏まえて、最低賃金の引き上げが加速傾向です。厚生労働省では、2030年代半ばには最低賃金を1500円以上とすることを目指す目標を掲げています。

仮に全国平均を基準とするなら、あと10年程度のうちに更に450円程度賃金が引きあがる可能性が想定されます。

厚生労働省や政府は早期の達成に意欲を見せていることもあり、経済情勢や世の中の賃金引き上げの潮流次第では、さらに早いペースで最低賃金の引き上げが進む可能性もあるでしょう。