厚生労働省は、2024年7月25日に「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について」を公開し、2024年度の最低賃金引き上げの目安を公開しました。

この記事では、今後予定される最低賃金引き上げの見込みと、現状の最低賃金について紹介します。

1. 最低賃金は各都道府県+50円程度の引き上げ見込み

厚生労働省では、10月頃に予定されている最低賃金の改定において、各都道府県50円程度の引き上げを予定しています。

厚生労働省は、各都道府県の経済状況に鑑みて、3つのランク分けをして最低賃金の改定幅を検討しています。

【写真4枚】各都道府県に適用される目安のランク。2枚目では2023年時点の最低賃金と2024年度の最低賃金比較表を掲載

各都道府県に適用される目安のランク

出所:厚生労働省「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について」

  • A:埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
  • B:北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
  • C:青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

ただし、2024年度の賃金改定においては、A~Cいずれのランクにおいても「50円程度の引き上げ」を目安とすることを、第69回中央最低賃金審議会にて決定しました。

ちなみに前年の引き上げ幅は43円です。2024年度は昭和53年度に最低賃金引き上げの目安制度が始まって以来、1年度あたりの上昇幅は最大となる見込みです。