税制改正により、2024年度から新たに〈森林環境税〉の徴収が開始されます。
森林環境税は、国内に住所がある個人を対象に「一律で課税される」国税です。
森林環境税の納税義務が生じることで、年金や給与の手取り額が変わる人もいるでしょう。
なぜなら、住民税の均等割りに上乗せして〈森林環境税〉が徴収されるからです。
本記事では、〈森林環境税〉が何のために「いくら徴収されるのか」、「対象者」についても詳しく解説していきます。
1. なぜ〈森林環境税〉が必要なのか?
森林環境税ができるきっかけとなったのは、2019年にフランスのパリで開催された国連の会議です。
日本はその会議に参加し、地球温暖化を防止するための「パリ協定」が決まりました。
パリ協定には、先進国や途上国に関わらず「地球温暖化の防止」に取り組むことが定められています。
森林を守り整備すると、「地球温暖化の防止」や「私たちの豊かな生活」につながるとされています。
森林環境税はこのような経緯で、森林を守り整備する費用を捻出するために設けられました。
2. 森林環境税は〈何に使われる〉のか?
森林環境税は、「森林を守り整備するための費用」に充てることを目的としています。
森林を守り整備することで、私たちが得られるメリットは次のとおりです。
- 土砂崩れなどの災害を防ぐ
- 水源の維持
- 無花粉スギに植え替えて花粉症対策
- 木材は、鉄やコンクリートより製造や加工時のエネルギー消費が少ない
- 地球温暖化を防止する
二酸化炭素が過剰に排出されると、地球温暖化の原因になります。
日本の二酸化炭素吸収量のうち、約90%は森林が吸収しています。
なお、「日本の国土の約70%は森林」です。
現在、森林を整備する人材が不足しており、森林を持続的に活かす取り組みが必要だとされています。