3. 国民年金の「強制徴収」とは

督促状に記載された期限までに国民年金保険料を納付しなかった場合に、強制徴収と呼ばれる財産の差押えが執行されます。

差押えの対象となるものは、以下のとおりです。

  • 給与
  • 預貯金
  • 不動産
  • 自動車
  • ジュエリー・宝石類
  • 貴金属
  • 有価証券

また、督促状の期限が過ぎてから国民年金保険料を納付した場合、延滞金が課されます。

延滞金は督促状の期限までに保険料を納付すればかかりませんが、督促状に期限を過ぎたその日から加算されていきます。

国民年金保険料の延滞金の状況

国民年金保険料の延滞金の状況

出所:日本年金機構「国民年金保険料の延滞金」

延滞金の計算式は以下のとおりです。

国民年金保険料の延滞金を計算する方法

国民年金保険料の延滞金を計算する方法

出所:日本年金機構「国民年金保険料の延滞金」

〈金額1:国民年金保険料の納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日までの金額〉

  • 各月の国民年金保険料額(500円未満の端数切り捨て)✕延滞金の割合A✕納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日までの日数✕365

〈金額2:国民年金保険料の納付期限の翌日から3ヶ月を経過して以降の金額〉

  • 各月の国民年金保険料額(500円未満の端数切り捨て)✕延滞金の割合B✕納付期限の翌日から3ヶ月を経過して以降の日数✕365

上記金額の合計が延滞金となります(50円未満の端数切り捨て)。

また、延滞金の計算式に登場する「延滞金の割合」は以下のとおりです。

延滞金の割合一覧表

延滞金の割合一覧表

出所:日本年金機構「延滞金について」

〈延滞金の割合A〉

  • 2009(平成21)年12月31日まで:14.6%
  • 2010(平成22)年1月1日から2014(平成26)年12月31日:4.3%
  • 2015(平成27)年1月1日から2015(平成27)年12月31日:2.8%
  • 2016(平成28)年1月1日から2016(平成28)年12月31日:2.8%
  • 2017(平成29)年1月1日から2017(平成29)年12月31日:2.7%
  • 2018(平成30)年1月1日から2018(平成30)年12月31日:2.6%
  • 2019(平成31)年1月1日から2019(令和元)年12月31日:2.6%
  • 2020(令和2)年1月1日から2020(令和2)年12月31日:2.6%
  • 2021(令和3)年1月1日から2021(令和3)年12月31日:2.5%
  • 2022(令和4)年1月1日から2022(令和4)年12月31日:2.4%
  • 2023(令和5)年1月1日から2023(令和5)年12月31日:2.4%
  • 2024(令和6)年1月1日から2024(令和6)年12月31日:2.4%

〈延滞金の割合B〉

  • 2009(平成21)年12月31日まで:14.6%
  • 2010(平成22)年1月1日から2014(平成26)年12月31日:14.6%
  • 2015(平成27)年1月1日から2015(平成27)年12月31日:9.1%
  • 2016(平成28)年1月1日から2016(平成28)年12月31日:9.1%
  • 2017(平成29)年1月1日から2017(平成29)年12月31日:9.0%
  • 2018(平成30)年1月1日から2018(平成30)年12月31日:8.9%
  • 2019(平成31)年1月1日から2019(令和元)年12月31日:8.9%
  • 2020(令和2)年1月1日から2020(令和2)年12月31日:8.9%
  • 2021(令和3)年1月1日から2021(令和3)年12月31日:8.8%
  • 2022(令和4)年1月1日から2022(令和4)年12月31日:8.7%
  • 2023(令和5)年1月1日から2023(令和5)年12月31日:8.7%
  • 2024(令和6)年1月1日から2024(令和6)年12月31日:8.7%

納付していない期間が長いほど、加算される金額は増えていきます。多額の延滞金が課されないよう、年金保険料は必ず期限までに支払うようにしてください。

次章では、国民年金の強制徴収件数について解説します。