5. 円安時にやってはいけないNG行動3選
ここからは、円安時にやってはいけない行動を3つ、解説していきます。
どれにも共通していることですが、無理はしないことが大切です。
5.1 円安時のNG行動①日本円資産の割合を大幅に減らす
為替リスクを軽減する上で、外貨預金は有効な選択肢です。
しかしながら、全てを1つの外貨に交換したり、円をほとんど残さないポートフォリオは避けたほうがいいでしょう。
それぞれの国に、為替変動のリスクは少なからずありますし、長期的に円高に働いた場合、損失が大きく膨らんでいく可能性があります。
5.2 円安時のNG行動②海外旅行を延期する
海外旅行は頭を悩ませる問題の1つでしょう。
観光庁「訪日外国人旅行者数・出国日本人数の推移」によると、出国日本人数はコロナ禍よりは増加傾向にあるものの、コロナ以前の水準にはまだまだ届いていないのが現状です。
ここから為替相場がどう動くのかは、誰にも予想できません。
また、政治的なリスクなど、為替以外の要因により、海外旅行が困難になる可能性も考えられるでしょう。
従って、海外旅行そのものは、円安下でも尻ごみする必要はないと考えられる一方、無計画な旅行や海外での消費は、想像以上に高くつく可能性があります。
海外旅行に行く際は、しっかりと計画や予算を立てたうえで楽しみましょう。
5.3 円安時のNG行動③短期的な利益を狙った為替売買
円安が進む中では、FXにより収益を狙う人も増えてきます。
しかし、為替市場は予測が難しく、特に短期的な動きは不確定要素が多いです。
普段から為替の動きをウォッチしている人以外は、短期的な利益を狙って大きなリスクを取るのは避けたほうが賢明と言えるでしょう。
投資初心者が安定的に資産を増やすためには、やはり長期投資が要です。
時間を味方につけて、ゆっくり着実に資産を増やせるようにしてみましょう。
6. まとめにかえて
今回は、円安の原因から、投資への考え方、そして円安時にやってはいけない行動を紹介してきました。
しばらくは円安が続くと見られていますが、10年後、20年後にどうなっているかは誰にもわかりません。
新NISAなどの制度を利用しながら、分散を意識して、堅実に資産形成をしていくことが大切といえそうです。
参考資料
- 日本銀行「2%の「物価安定の目標」」
- 金融庁「NISAを知る」
- FRED「Federal Reserve Economic Data│フェデラルファンド実効金利」
- 観光庁「訪日外国人旅行者数・出国日本人数」2024年3月22日
- 金融庁「資産形成の基本」
中本 智恵