2. 米国の政策金利

大きな要因の1つは日米の政策金利差によるものと考えられます。

ここでいう政策金利とは、大まかに言えば、商業銀行が中央銀行からお金を借りる際に課される金利のことです。

米国の政策金利は、現在5.5%前後で停滞しています。

6月に米国の中央銀行であるFRBが、政策金利の据え置きを決定したため、しばらくはこの5.5%が維持されるものと考えられます。

一方の日本では低金利が続いています。

インフレ率など諸々を考慮に入れる必要はありますが、この数値だけを見ても、金利の差が大きいことが読み取れます。

3. 今、円安が進んでいる理由

では、なぜ政策金利の差が円安を引き起こすのでしょうか。

米国の政策金利は7月現在5%~5.5%であるのに対し、日本の政策金利は0.1%程度です。

政策金利が高い通貨で資金を運用すれば、それだけ大きなリターンが見込めます。

投資家は円を売ってドルを買おうとするので、円の需要が下がり、ドルの需要が増えます。

同時に、円の供給が増え、ドルの供給が減ります。

一般に需給の関係から、供給が増えれば価格は下がり、供給が減れば価格が上がります。

このことから、円安が進んでいくのです。