2025年7月31日に日本銀行より公表された「経済・物価情勢の展望(2025年7月)」によると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は2025年度に2%台後半、2026年度は1%台後半、2027年度は2%程度になると予想されています。
年金額がほぼ横ばいの中で、物価だけが上昇すれば実質的な購買力は低下します。
特にシニアのおひとりさま世帯では、食料・光熱費など暮らしに欠かせない出費の割合が大きく、物価が上がると家計への影響は避けられません。
そこで本記事では、70歳代おひとりさまの貯蓄事情や年金額を最新データから紹介し、老後の生活を守るためのヒントを探ります。
1. 【70歳代おひとりさま】の貯蓄事情は?
70歳代単身世帯の金融資産保有額を、金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに紹介します。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 【70歳代おひとりさま】貯蓄額は貯蓄ゼロの割合が27.0%
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
70歳代の単身世帯では、約4人に1人が金融資産を全く保有していません。
一方で3000万円以上を持つ人も約16%います。
1.2 【70歳代おひとりさま】平均貯蓄額と中央値
70歳代おひとりさまは、平均貯蓄額と中央額に大きく差があり、資産の分布にばらつきがあるのが特徴です。
- 平均:1634万円
- 中央値:475万円
数字だけを見ると不安になるかもしれませんが、生活スタイルや持ち家の有無、年金収入などによって必要な資産額は人それぞれです。