2.2 80歳以降の生活費はいくらかかる?
続いて、80歳以降の生活費を見ていきましょう。総務省の2023年の家計調査報告による世帯主が65歳以上の高齢者無職世帯の消費支出の平均は、以下のとおりです。
- 夫婦高齢者無職世帯:25万959円
- 高齢単身無職世帯:14万5430円
この金額はあくまでも平均なので参考にとどめ、現在の家計支出をもとに実際の支出を見積もるとよいでしょう。
おおよその家計支出が計算できたら、年金の手取り収入から差し引きます。
たとえば、夫が厚生年金あり、妻が国民年金のみの世帯であれば、世帯の年金の手取り収入の見込み額は以下のように計算できます。
16万3875円×90%+5万4426円×95%=19万9192円
手取り収入から消費支出を差し引いた家計収支は、以下のように求めます。
19万9192円―25万959円=▲5万1767円
この結果から、この世帯の家計収支は毎月約5万円の赤字になると考えられます。この赤字額の20年分は、80歳から100歳までの生活費の不足分として準備しておきたいところです。
5万1767円×12ヵ月×20年=1242万4080円
この世帯の80歳から100歳までの生活費の不足分は、約1200万円と考えられます。
この金額はあくまで一例ですが、ここまでの計算手順を参考に各家庭に必要な貯蓄額を見積もってみてください。