3.2 介護にかかる費用はいくら?
次に、介護にかかる費用について見ていきましょう。
生命保険文化センターが実施した調査によると、公的介護保険サービスの自己負担費用を含む介護に要した費用の平均額と期間は、以下のとおりです。
- 一時的な費用(住宅改修や介護用ベッドの購入など):74万円
- 月々の費用:8万3000円
- 介護期間:5年1ヵ月(61.1ヵ月)
以上から、平均的な介護費用は以下のように計算できます。
74万円+(8万3000円×61.1ヵ月)=581万1300円
夫婦世帯であれば、2人分で1162万2600円となります。
80歳時点の貯蓄額は、年金収入からの不足分と介護費用の合計から必要額を計算していきましょう。
4. 無理のない範囲で老後資金を準備しましょう
80歳から100歳までの20年には世帯によっては数千万円の準備が必要となりそうです。時間をかけてコツコツ準備する必要がありますが、現役時代の生活を犠牲にしてまで貯蓄をするのは本末転倒です。家計を見直し、無理のない範囲で老後資金準備に回せる金額を決めて、着実に準備していきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年簡易生命表」概況版
- 厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和4年度 介護給付費等実態統計の概況」
- 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」
松田 聡子