正社員の方にとって、6月はボーナス月のひとつ。支給を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

日本の平均的な年収は400万円台ですが、職種や業種、年齢などでバラつきが大きくなります。

昨今活発になっている転職の際にも、年収は気になる要素の一つではないでしょうか。

今回は最新の意識調査から20歳代のキャリア採用の背景を読み解きつつ、現代日本を取り巻く年収事情について確認していきます。

1. 「新卒採用だけでは、若手採用を充足できない」が半分以上。最新の意識調査結果

株式会社学情は、企業の人事担当者を対象に「20代を対象としたキャリア採用に期待すること」に関して調査を実施。若手キャリア採用の実態が明らかになりました。

調査概要は以下の通りです。

  • 調査方法:Web上でのアンケート調査
  • 調査対象:企業・団体の人事担当者
  • アンケート母数:359社
  • 実施日:2024年4月15日~2024年5月2日
  • リリース公開日:2024年6月4日

1.1 若手不足、組織活性化…20歳代キャリア採用の実施理由とは

20歳代のキャリア採用を行う理由はどのようなものが一番多いのでしょうか。

【写真全4枚中1枚目】20歳代のキャリア採用を実施する理由ランキング。2枚目では20歳代で入社した若手に期待することを掲載。1/4

【写真全4枚中1枚目】20歳代のキャリア採用を実施する理由ランキング

出所:学情「20代を対象としたキャリア採用に期待すること」

20歳代を対象としたキャリア採用を行う理由として、最も多かったのは「新卒採用だけでは、若手の採用が充足できないから」という回答。約半数ともいえる55.2%を占めました。

次いで「キャリア採用(経験者採用・第二新卒採用)を強化するため(42.3%)」、「通年採用を実施しているから(39.0%)」と続きました。

ちなみに前年度調査で最も多かった「欠員補充のため」(46.6%)は、今年は4位(37.6%)でした。

この結果から、欠員補充よりも「戦略的な採用」として20歳代を対象とした採用を増やしているとわかります。

それでは、そうして入社してきた若手には具体的にどのようなことが期待されているのでしょうか。

次は、同調査からキャリア採用枠の若手に期待されることについてみていきましょう。

2. 【キャリア転職】入社後の20歳代若手への期待は「中長期的な戦力」

次に、20歳代キャリア採用において、入社後に期待することへの回答結果を見ていきましょう。

【写真全4枚中2枚目】20歳代に期待すること「中長期的な戦力」が8割2/4

「中長期的な戦力」への期待が8割近くに。

出所:学情「20代キャリア採用の実施に関する意識調査」

最も割合が高かったのは「中長期的に戦力になること(育成を前提として長く働いてくれること)」で、全体の約8割を占めました。

次いで「新卒学生よりも早期での戦力化(44.3%)」、「素直さ(38.4%)」と続きました。

結果から、ポテンシャル採用の側面は持ちつつも、同時に新卒学生とは異なって早期戦力として求められていることも分かりました。

若手だからといって「学ぶ姿勢」だけでは許されないのがキャリア転職の難しさです。

参考までに、2023年に実施された意識調査から20歳代が転職で実現したい年収額をチェックしていきましょう。

3. 【20歳代】理想の年収額はいくら?「数十万円の年収アップを希望している」の声も

株式会社学情が実施した「20代の年収に関する意識調査」では、20歳代の転職を取り巻く年収の現状がまとめられています。

調査概要は以下の通りです。

  • 調査方法:インターネットでのアンケート調査
  • 調査対象:20歳代社会人(20代専門転職サイト「Re就活」/Webメディア「20代の働き方研究所」サイト来訪者)
  • アンケート母数:181名
  • 実施日:2023年10月24日~2023年10月31日
  • リリース公開日:2023年11月13日

3.1 今回の転職で実現したい年収は「301~400万円」が最多

20歳代の転職を考えている社会人が実現したい年収は「301~400万円」が最多の42.5%となりました。

次いで、「401~500万円(24.9%)」が続きます。

【写真全4枚中3枚目】20歳代が転職で実現したい年収「301~500万円」が約7割3/4

「301~500万円」で全体の7割を占める

出所:学情「20代の年収に関する意識調査」

実現したい年収一覧

  • 200万円以下:5.0%
  • 201~300万円:12.7%
  • 301~400万円:42.5%
  • 401~500万円:24.9%
  • 501~600万円:9.4%
  • 601~700万円:2.2%
  • 701~800万円:1.1%
  • 801万円以上:2.2%

こうした理想を抱く20歳代。それと比較して、現代の「平均年収」はいくらになっているのでしょうか。

次の章では、年齢別の平均年収を統計から深堀りしていきましょう。

4. 【年齢別】国税庁の実態調査の結果をチェック…現代の「平均年収」は?

国税庁による実態調査の結果をチェックしていくと、全体の平均年収は「458万円」でした。

【写真全4枚中4枚目】年齢階層別の平均給与:全体の平均年収「458万円」4/4

平均年収は458万円に

出所:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

男女別にみると、男性は年齢と平均年収に相関関係があることがわかります。年収のピークは55~59歳で「702万円」となっています。

一方で女性は年代によって顕著な差は見られません。結婚や出産のタイミングで、仕事以外の役割が求められるケースが多く、収入の上昇が見込めないことがわかります。

4.1 【年収一覧表】男性・女性

  • 20~24歳:291万円・253万円
  • 25~29歳:420万円・349万円
  • 30~34歳:485万円・338万円
  • 35~39歳:549万円・333万円
  • 40~44歳:602万円・335万円
  • 45~49歳:643万円・346万円
  • 50~54歳:684万円・340万円
  • 55~59歳:702万円・329万円

次は職種・業種別の平均年収についてみていきましょう。

5. 【職種別】営業、技術、専門職…平均年収が高い「職業」は?

職種を選ぶにあたって、適性や働きやすさ、興味関心から選ぶ方が多いでしょう。

一方、職種別の年収について意識したことのある方は多くはないのではないでしょうか。

今回はdoda「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」を参考に、職種別の平均年収の一覧を見ていきます。

5.1 【職種別の年収一覧表】平均年収:全体(男性・女性)

  • 専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人) 598万円(637万円 ・527万円)
  • 企画/管理系 543万円 (612万円・453万円)
  • 営業系 456万円 (486万円・ 391万円)
  • 技術系(電気/電子/機械) 455万円 (467万円・360万円)
  • 技術系(IT/通信) 452万円 (473万円・398万円)
  • 金融系専門職 452万円(610万円・386万円)
  • 技術系(建築/土木) 432万円 (447万円・370万円)
  • 技術系(メディカル/化学/食品) 395万円  438万円・360万円)
  • クリエイティブ系 383万円 (424万円・354万円)
  • 事務/アシスタント系 343万円(406万円 ・327万円)
  • 販売/サービス系 334万円 (367万円・304万円)

「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」が最も高く、600万円前後となりました。

次いで「営業系」「技術系」となっています。専門性が高い職種の年収が高くなっていることがわかります。

転職の際には「自分がもっている専門スキルは何か」そして「どのように活かせるのか」を考えてみると、理想の年収の実現に近づくかもしれません。

6. 【業種別】平均年収はいくら?一覧表でチェック!

業種によっても差が出てくるのが年収。業種別で最も年収が高い業種はどこでしょうか。

doda「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」から業種別の平均年収を見てみましょう。

6.1 【業種別の年収一覧表】平均年収:全体(男性・女性)

  • 金融 469万円(572万円 394万円)
  • メーカー 466万円 (506万円 381万円)
  • 総合商社 464万円(525万円 374万円)
  • IT/通信 446万円( 478万円 393万円)
  • 建設/プラント/不動産 432万円 ( 470万円 364万円)
  • 専門商社 424万円(468万円 361万円)
  • インターネット/広告/メディア 423万円(469万円 381万円)
  • メディカル 408万円 (499万円 354万円)
  • サービス 377万円(419万円 335万円)
  • 小売/外食 359万円 (400万円 317万円)

金融が最も高く、次いでメーカー、総合商社、IT/通信 などとなりました。また、業種により約100万円ほど平均年収が異なります。

業種や職種で違いが見られますが、働けるのは一つの業種や職種、そして会社です。

きちんと業種や職種について研究し、キャリアを考えることが重要でしょう。

7. まとめにかえて

今回は、20歳代の若手社会人のキャリア採用に企業が期待すること、転職して実現させたい年収、そして現代の日本の年収を職種・業種・性別でみてきました。

女性の社会進出や正規雇用が増加し、育休を取得している男性社員が増えていること、また、転職市場が急激に拡大している事実などに代表される、変化の激しさが特徴の現代。

人材の流動性が高まっている昨今において、安定した職種・業種は少なくなっているのが現状です。10年後に職種・業種別のランキングが同じかというと、「誰も分からない」が現実ではないでしょうか。

変動の激しい現代だからこそ、自分の軸をもって生きていく、そのようなことが求められているのかもしれません。

参考資料

荒井 麻友子