2023年度の厚生年金のモデル夫婦の年金額は月22万4482円で、昨年度より引き上げられています。

この記事では、年金額の計算に欠かせない厚生年金と国民年金の計算方法や、2023年度の年金額の改定理由、モデル夫婦の年金額に対する注意点などを解説します。

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1. 2023年度の年金額例「モデル夫婦」は月約22万円に

2023年1月20日に公表された厚生労働省のプレスリリースによると、2023年度の国民年金と厚生年金の受給額は下記のとおり改定されます。

参考:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

2023年度は国民年金は満額で月6万6250円 (+1434円)、厚生年金のモデル夫婦(2人分の国民年金と厚生年金)は月22万4482円 (+4889円)でした。

1.1 厚生年金のモデル夫婦とは

モデル夫婦の年金額とは、厚生労働省が試算した標準的な夫婦の年金額です。

夫(あるいは妻)が会社員で、もう1人が専業主婦(夫)という夫婦の組み合わせを「モデル夫婦」とし、年金額がいくらになるのかをシミュレーションしています。

つまり試算の「月約22万円」とは、モデル夫婦である夫と妻がそれぞれ受給できる「厚生年金と夫婦2人分の国民年金」になります。

2. 国民年金と厚生年金の計算方法は?

国民年金や厚生年金の金額は、その人の年金の加入歴・保険料の納付実績などに応じて計算されます。

2.1 国民年金の計算方法

国民年金とは、自営業者や厚生年金に加入している人の被扶養者である配偶者(例:専業主婦)などに支給される年金です。

国民年金(基礎年金)の計算方法は、例年、基礎となる年金額に「保険料納付月数/480月」を乗じて計算します。

令和5年度は「年金額(満額)= 年額79万5000円(月額6万6250円)です。

20歳から60歳の480カ月間における加入・納付の状況によって個人の受給額が決まります。

2.2 厚生年金の計算方法

厚生年金とは、主に会社員の方などで厚生年金に加入してきた人に支給される年金のことです。

出所:日本年金機構「老齢年金ガイド 令和5年度版」

厚生年金の受給金額は基本的に以下の通り計算されます。

  • A:平成15年3月以前:平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月以前の加入月数
  • B:平成15年4月以降:平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数

報酬比例部分:A+B

「平均標準報酬額」とは、標準報酬月額と標準賞与の合計を月平均にした金額のことです。在職中の平均的な給与(ボーナス込み)を月換算した金額をイメージしていただくとよいでしょう。

つまり、厚生年金は加入期間だけでなく、収入によって、将来もらえる年金額が大きく変わるという特徴があります(上限があります)。