今は60歳代は仕事を継続する人も多いので、70歳が本格的な老後生活のはじまりと言えるかもしれません。
ただ、70歳代の暮らしはなかなか想像しにくいでしょう。
今の70歳代の世帯はどれだけ貯蓄を保有しているのでしょうか。
「人生100年時代」と言われ、老後の生活に不安を持つ方も多いですが、70歳代で貯蓄がゼロの世帯もあるのでしょうか。
70歳代のリアルを確認していきます。
【注目記事】60歳代で「貯蓄4000万円以上」の世帯はどれくらい?平均は2537万円
1. 70歳代の貯蓄ゼロ世帯の割合
70歳代は公的年金で生活している人が多いと思いますが、どれだけの貯蓄があるのでしょうか。
二人以上世帯と単身世帯に分けて確認しましょう。
1.1 70歳代・二人以上世帯の貯蓄
2022年2月14日に公表された金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、70歳代・二人以上世帯で貯蓄ゼロ世帯の割合は18.3%です。
平均貯蓄額は2209万円ですが、より実態を表す中央値は1000万円ですので、世帯間で経済格差が激しいことが分かります。
2000万円以上の貯蓄を保有する世帯は「2000万〜3000万円未満」と「3000万円以上」を合わせて34%ですので、平均貯蓄額2209万円に達しない世帯が全体の約6割を占めることが分かります。
1.2 70歳代・単身世帯の貯蓄
70歳代で一人暮らしの高齢者では貯蓄ゼロ世帯の割合に変化があるのでしょうか。
2022年2月14日に公表された金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」によると、70歳代・単身世帯で貯蓄ゼロ世帯の割合は25.1%です。
70歳代・単身世帯の4人に1人は貯蓄がないとわかります。
平均貯蓄額は1786万円ですが、中央値は800万円と二人以上世帯と比べて、下がります。
二人以上世帯、単身世帯ともに世帯間の経済格差は大きいです。
2. 70歳代の厚生年金と国民年金の受給額
日本の公的年金は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金と、会社員や公務員の人が加入する厚生年金の「2階建て」構造です。
70歳代は公的年金を主な収入源として生活している人が多いと思いますが、公的年金はどのくらい受け取れるのでしょうか。
2.1 70歳代の厚生年金の平均受給額
2022年12月に公表された厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、60歳から79歳までの厚生年金の平均受給月額は以下のとおりです。
平均年金月額は70歳から74歳で14万4357円、75歳から79歳で14万8293円でした。
上記の金額は平均ですが、実際に受け取る年金額は納付期間や収入によって決まります。
収入が多いほど年金受給額が増える仕組みです(上限があります)。
2.2 70歳代の国民年金の平均受給額
同資料によると、国民年金の平均年金月額は70歳から74歳で5万7127円、75歳から79歳で5万6100円でした。
国民年金は、納付期間によって受け取る年金額が変動します。
日本年金機構によると、令和4年4月分からの年金額は満額で6万4816円です。
20歳から60歳までの40年間で毎月欠かさず国民年金保険料を納付していた場合、満額を受給することができます。
3. 70歳以降の生活費の不足額は?
「70歳以降の老後生活で必要な資金」を知っておきましょう。
厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は81. 47年、女性の平均寿命は87. 57年です。
ここでは、仮に70歳以降の平均余命を15年と仮定します。
2019年6月3日に公表された金融審議会市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」によると、高齢夫婦無職世帯では、実収入が20万9198円、実支出が26万3718円であり、毎月の赤字額は5万4520円です。
仮に70歳以降の平均余命を15年とすると、70歳以降の生活費の赤字額は以下のとおりです。
5万4520円×12カ月×15年=981万3600円
したがって、70歳時点で約1000万円の貯蓄があれば、貯蓄を取り崩しながら生活できると試算できます。
しかし、実際には世帯ごとに収入や支出、家計状況によって70歳以降に必要な老後資金は変わります。
4. 資産形成や定年後も仕事を続けることを検討しよう
70歳代の貯蓄ゼロ世帯の割合は、二人以上世帯で18.3%、単身世帯で25.1%です。
老後に公的年金以外の収入がない場合、生活費が不足する可能性があります。
人生100年時代と言われ、平均寿命が伸びる中でより多くの金額が不足するかもしれません。
老後生活に入る前に資産形成をしたり、定年後も仕事を続けるといった工夫が必要でしょう。



