2. 年金を繰上げした場合の”損益分岐点”をシミュレーション

年金の繰り下げ受給をした場合、何歳以上まで生きると、得になるのでしょうか。
損益分岐点を計算するには、次の手順でおこないます。

  1. 65歳から受け取った年金額を100とする
  2. 繰り下げた期間の年金増加分を計算
  3. (100×繰り下げた期間)÷(100×繰り下げたときの年金増加分)

2.1【65歳から5年繰り下げて年金を受け取る場合】

  • 5年繰り下げたときの年金増加分:0.7×60か月=42%
  • (100×5年)÷(100×42%)=11.9年

繰り下げた年金を70歳から受け取る場合、11.9年後の81歳11か月までもらえば、65歳から年金を受け取ったときとほぼ同じ年金受給累計額になります。

2.2【65歳から10年繰り下げて年金を受け取る場合】

  • 10年繰り下げたときの年金増加分:0.7×120か月=84%
  • (100×10)÷(100×84%)=11.9年

繰り下げた年金を75歳から受け取る場合、11.9年後の86歳11か月までもらえば、65歳から年金を受け取ったときとほぼ等しい年金受給累計額になります。

5年・10年、繰り下げても損益分岐点となる年数は変わりません。繰り下げ受給が始まるのが、66歳、67歳、68歳など、どの時期からでも11年11か月をプラスした時期が、65歳から年金をもらったときと、だいたい似た年金受給累計額になります。

もし、11年11か月後よりも長生きすれば、繰下げ受給をして得するという結果になりました。

ただし、今回の結果は、2022年度の年金額などをもとにしたシミュレーションです。年金額・制度のルールなど、今後、見直しがある可能性があります。そうなると、損益分岐点も変わってくることもあります。目安と捉えていただければと思います。