来月、8月15日(金)は2カ月に1度の公的年金の支給日です。

私たちは65歳を迎えると、老齢年金を受給し始めます。老齢年金には基礎年金と厚生年金があり、納めた保険料や給与額、加入期間によって金額が決定します。

また、年金からは給与と同じように税金や社会保険料が差し引かれます。もし老後の年金が「月額15万円」の場合、実際に受け取れる金額はいくらなのでしょうか。この記事では、月額15万円の年金の手取り額や安心して老後の生活をするための工夫を解説します。

1. 【厚生年金と国民年金】月額15万円の年金…平均と比べて差はある?

まずは、月額15万円の年金が一般的に多い金額なのか少ない金額なのか、確かめていきましょう。

基礎年金は満額が6万9308円(2025年)と6万円台のため、満額受け取っても月額15万円には届きません。月額15万円の年金を受け取るには、基礎年金と厚生年金を併給する必要があります。

厚生年金(基礎年金含む)の平均受給額を見てみましょう。

【厚生年金】年金月額ごとの受給権者数グラフ(男女別)

【厚生年金】年金月額ごとの受給権者数グラフ(男女別)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

全体の平均年金月額は14万6429円です。月額15万円の年金は、ほぼ平均に近い額といえるでしょう。

男女別に見てみると、男性は平均が16万円台のため、受給額が月額15万円だとやや心許ない金額といえます。一方、女性の平均額は10万円台となっており、受給額が月額15万円なら平均を大きく上回ることになります。

上記の額は、額面での金額です。実際に受け取れる金額はこれよりも少なくなります。

次章では、月額15万円の年金の手取り額を計算してみます。