4. 安心して老後を迎えるには
私たちが安心して老後を迎えるには、資産の備えが大切です。
前述のとおり、単身世帯で手取り年金額が13万円で、支出額が約15万円の場合、毎月約2万円の赤字が発生します。年金受給時から約25年生きるとすると、年金とは別に最低でも600万円の備えが必要になります。
夫婦世帯であれば、配偶者の年金額によって必要な資産額が変わります。仮に自身の年金が月額15万円、配偶者の年金が基礎年金のみで月額6万円なのであれば、1000万円以上の備えが必要となるでしょう。
こうした多額の資産を備えるには、お金を運用して増やすことを検討してみるとよいです。たとえば、NISAを活用すれば、運用益が非課税になり手元により多くの利益が残ります。NISA制度は恒久化されているため、老後も資産運用をし続けられます。
また、公的年金以外の年金をつくるならiDeCoを活用しましょう。iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となったり、受け取り時に一定額までなら非課税になったりと、税制優遇が強みの制度です。運用した資産は一時金形式・年金形式で受け取れるため、老後のプランにあわせた資産の取り崩し方ができるのもメリットといえます。
資産を運用してお金の価値を高め、老後に資産が枯渇することがないようにしましょう。
5. まとめ
年金が月額15万円の場合、実際に手元に残るのは約13万円ほどです。年金収入のみでは、老後の支出を十分に賄えないケースがほとんどのため、十分な資産を用意して少しずつ取り崩していかなければなりません。
資産をつくる際は、貯蓄だけでなくお金の運用も重要です。効率よく増やす方法を活用して、安心して老後生活を迎えられるよう今から備えておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 新宿区「住民税について」
- 新宿区「保険料の計算方法について」
- 新宿区「介護保険料の決まり方」
- 総務省「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要」
石上 ユウキ