株式会社お金のデザインが50~70歳代男女1000名に行った調査によると、「安心だと思える老後の資金額」は平均4113万1000円にもなりました(2022年12月15日公表)。
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出所:株式会社お金のデザイン調べ
一時期「老後2000万円問題」が話題となりましたが、現代の50~70歳代は安心できる老後資金を「4000万円以上」と考えており、老後生活の苦しい実態と老後資金の必要性を感じさせる結果となっています。
実際に年金生活を過ごしている方の生活費や年金の受給額、また貯蓄はいくらあるのでしょうか。60歳代の生活の実態に迫ります。
65歳以上「リタイア世帯の月の生活費」はいくらか
まずは年金生活者の月の生活費を確認しましょう。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」をもとに、65歳以上・リタイア世帯のひと月の生活費を見ていきます。
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出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
65歳以上・リタイア世帯「月の生活費」
実収入:23万6576円(うち社会保障給付:21万6519円)
支出合計:25万5100円
- 消費支出22万4436円
- 非消費支出3万664円
不足分:1万8525円
収入のうち、年金は月21万円台となっています。
実際には加入している年金や加入状況によって異なるため、ご自身についてはねんきん定期便などで確認しましょう。また現役世代が老後を考える際には、年金の受給額が今より下がることも想定しなければならないでしょう
支出をみると消費支出22万4436円のうち、食料が6万5789円で約3割を占め、「交通・通信」2万5232円、「光熱・水道」1万9496円などとなっています。
今年は特に食費や電気代などが値上がりしたため、この部分は増加していると考えられるでしょう。
住居費は1万円台となっているため、賃貸の場合はこれ以上必要となります。
このように世帯差はありますが、平均でみると月の赤字は1万8525円でした。老後を65~90歳と仮定した場合約600万円となります。
【厚生年金と国民年金】65~69歳の月平均はいくらか
月の生活費を考えるとき、また老後資金を考える際にも重要なのは「老後の主な収入である公的年金はいくらか」を把握することです。
では、今の65~69歳の方は厚生年金や国民年金を月平均でいくら受け取っているのか確認しましょう。
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出所:厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」
国民年金の年金月額
- 65歳:5万7919円
- 66歳:5万7737円
- 67歳:5万7569円
- 68歳:5万7272円
- 69歳:5万7169円
厚生年金の年金月額
- 65歳:14万5337円
- 66歳:14万5703円
- 67歳:14万3386円
- 68歳:14万1979円
- 69歳:14万36円
※厚生年金には国民年金(基礎年金)の月額を含む
公的年金は一般的に65歳から受給開始となります。
国民年金は月平均で約5万7000円台、厚生年金は14万円台となりました。
特に厚生年金は加入月数だけでなく、収入に応じた保険料を支払うため個人差が大きくなります。
自分の将来の年金受給予定額は早くから確認しておき、老後資金の計画を立てておくといいでしょう。
60歳代の貯蓄「2000万円超」は何パーセントか
生活費の不足分や、旅行や趣味、また病気や介護費用を支えてくれる「貯蓄」ですが、今の60歳代はどれくらい貯蓄を保有しているでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」から、60歳代・二人以上世帯の貯蓄を確認しましょう。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2427万円
- 中央値:810万円
60歳代の貯蓄は平均で2000万円を超えますが、中央値では810万円まで下がりました。
平均は一部の富裕層に引っ張られるため、より実態に近いのは中央値です。「老後2000万円」とは遠く、実際には800万円台というのが実態です。
今は60歳代で働く方も多いですが、いつまで元気に働けるかはわかりません。60歳代までのマネープラン、そしてキャリアプランが老後生活を支えることになるでしょう。
老後を見据えたプランを立てよう
今の50~70歳代で老後安心できる費用は平均4000万円以上でしたが、今の現役世代が老後を迎えるころには今よりも年金受給額が下がり、老後に必要とする金額は上がっている可能性もあります。
とはいえ住宅ローンや教育費を払っていれば、老後資金の準備もままならないというご家庭もあるでしょう。
ただ老後資金はまとまった金額になると考えられるため、長い年月をかけてコツコツと貯めていくのが基本です。
自民・公明両党が2022年12月16日に公表した「令和5年度税制改正大綱」では、NISA(少額投資非課税制度)制度の恒久化や無期限化について取りまとめています。リスクはありますが、貯蓄のほかにつみたてNISAやiDeCoを利用して積立投資で備えるのも一つでしょう。
また、長く働くことで貯蓄を増やす・守ることもできますから、長い目で見たキャリアプランを形成していくことも大切でしょう。
人生100年時代に向けて、マネーとキャリアプランの両面から自分にできることを探してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査(令和3年)各種分類別データ]」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 自由民主党 公明党「令和5年度税制改正大綱(2022年12月16日公表)」
宮野 茉莉子
