将来受給できる年金が年額220万円と聞くと、安いと感じるでしょうか。高いと感じるでしょうか。

厚生労働省が2022年3月25日に公表した「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、新規学卒者の平均年収は大学卒で225万4000円です。

こちらと同じ水準が年金として受け取れると考えると、「羨ましい」と感じる方もいるかもしれません。

ただし、「社会人は給与天引きがあるけど、年金は丸々もらえるのだから羨ましい」と感じているのであれば、それは誤解です。

実は厚生年金や国民年金からも、税金や保険料は容赦なく天引きされるのです。

では厚生年金が年額220万円の場合、どれくらいの保険料が天引きされるのでしょうか。

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1. 厚生年金や国民年金から天引きされるお金とは

厚生年金や国民年金からは、税金や保険料が天引きされることがあります。これを特別徴収と言います。

特別徴収されるお金は、次の4つです。

1.1 年金から天引きされるお金1. 個人住民税

前年中の所得に対してかかる住民税ですが、特別徴収の要件を満たす場合は年金天引きで納めます。

収入が一定に満たなければ非課税となり、支払い義務がないケースもあります。

1.2 年金から天引きされるお金2. 所得税および復興特別所得税

年金収入が一定額以上になると、所得税もかかります。公的年金は雑所得となり、65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税されます。

また「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の源泉徴収の際に復興特別所得税もかかります。

ただし、障害年金や遺族年金を受給する場合は非課税です。

1.3 年金から天引きされるお金3. 介護保険料

40歳~65歳までは健康保険料に含んだ形で納める介護保険料ですが、65歳になると単独で支払うことになります。

年金の年額が18万円以上の場合、年金からの天引きで納めることに注意しましょう。

1.4 年金から天引きされるお金4. 健康保険料

介護保険料が天引きされる方の場合、国民健康保険料も合わせて天引きされます。75歳以上になれば後期高齢者医療制度に加入しますが、こちらの保険料も年金からの天引きです。

後期高齢の保険料は一般的に安いイメージがありますが、意外に負担は重いものです。次の章で詳しく解説します。

2. 年金が年額220万円なら後期高齢者医療保険料はいくらか

天引きされるお金として見過ごせないのが、後期高齢者医療制度の保険料です。75歳以上の方が自動的に加入する公的保険で、加入者全員に保険料の支払義務があります。

東京都にお住まいの場合、保険料は均等割額4万6400円+所得割率9.49%の合計で求めます。

年金が年額220万円(月額約18万円)の場合、計算式に当てはまると保険料が10万700円になります(年金以外に収入がない独身世帯の場合)。

「所得が高いほど保険料が高い」というのはイメージしやすいのですが、見過ごしがちなのが均等割や所得割の軽減があること。

総所得金額等が一定以下の場合、それぞれに軽減措置があるのです。

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出所:東京都後期高齢者医療広域連合「保険料の算定方法」

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出所:東京都後期高齢者医療広域連合「保険料の算定方法」

これにより、例えば年金が173万円の人は保険料が3万7400円に、年金が168万円の人は保険料が2万1000円に抑えられます。

反対に言えば、年金が少し上がるだけで保険料がぐんと上がる可能性もあるということです。

年金は、受給開始を65歳より後に繰り下げることで増額できる制度があります。ただし、繰下げ受給をあげることで税金や保険料が跳ね上がることもあるので、注意が必要です。

3. 老後のマネープランを立てるなら情報収集が必須

年金から天引きされるお金について見ていきました。

特に保険料については、老後も支払い続ける必要があることを知らない方も多いです。

収入に応じて天引き額が大きくなるのはイメージしやすいものの、軽減制度があるために一定のラインを超えるとグンと天引き額が上がることに要注意です。

将来のお金を考えるときは、こうした手取り額も考えることが重要です。額面や平均にとらわれず、あらゆる角度で総合的に考えたいですね。

そのためにも、まずはしっかりと情報収集を行いましょう。

参考資料