2.5 2022年区分マンションの全国不動産価格指数
次に、区分マンションにおける全国的な価格変動の様子を見てみましょう。
不動産価格指数とは、国際指針に基づいて国土交通省が作成し、不動産市場価格の動向を示したものです。
2020年4月以降、住宅全体でも上昇傾向にあることが見て取れますが、特に区分マンションの上昇傾向が大きいことが分かります。新型コロナ対策として2020年4月に初の緊急事態宣言が出された影響を受け一時的に価格が下落したものの、すぐに回復。2013年以降の上昇傾向が続いています。
3. マンション価格上昇の理由
ここまでさまざまなデータを見てきましたが、依然として新築、中古マンション価格は区分マンションも含め上昇傾向です。その理由を見ていきましょう。
3.1 金融緩和政策
日本は超低金利時代が長く続き、ローン金利が非常に低い状態で推移しています。ローン金利が下がったことで購入希望者が増加し需要が高まり、マンション価格も上昇したと考えられるでしょう。欧米がインフレ対策として政策金利を上昇している最中においても、日銀の金融緩和姿勢が変わることは今のところ無さそうです。
3.2 東京五輪の影響
東京五輪の開催に向け、建築資材や建設会社の人件費、地価が上昇したことにより、新築分譲マンションにかかる建築費用が高騰しました。建築にかかった費用は当然販売価格に反映されるため、この時期に建設されたマンション価格は必然的に上昇しています。
またコロナ以前では、東京五輪の開催決定に伴い、国内だけでなく海外投資家からの需要も増加しました。これもマンション価格上昇の一因といえるでしょう。
3.3 相続対策のための不動産需要の過熱
2015年から施行された相続税法の改正で基礎控除額が引き下げされ、以前より多くの方が相続税の課税対象者になりました。これまで以上に相続税対策が必要となり、不動産を購入する人が増加。需要の過熱がマンション価格の上昇を引き起こしているのです。