5. 繰り下げは柔軟にできる
繰り下げ受給にはメリットとデメリットの両方があります。
年金額に影響するため、どうしても損得で考えてしまいますが、実際に損だったのか得だったのかは自分の死後にわかるような賭けになってしまうので、そこにこだわり過ぎない方がいいでしょう。
年金は手続き(年金請求)をしないと支給されないので、請求しない限りは、繰り下げを行っていることと同じになります。
そのため、状況をみて、年金に頼らなくても生活できそうであれば、年金請求をしないでおき、年金を受け取りたくなったら請求をして、増額された年金を受け取ることができます。
また、あとから65歳にさかのぼって増額なしの年金をまとめて受給することも可能です。
このように、繰り下げ受給は最初から繰り下げる期間を決めておく必要はなく、老後の生活状況に合わせて柔軟に判断できることを覚えておくといいでしょう。まずは老後の生活基盤の安定を図ることが重要です。
公的年金は老後の生活基盤を作る上での要です。繰り下げの損得よりも生活の安定を考えましょう。
参考資料
- 年金の繰下げ受給|日本年金機構
- No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁
- 後期高齢者医療制度の保険料について|八王子市公式ホームページ
- 令和3年度(2021年度)から令和5年度(2023年度)の介護保険料(所得段階)|八王子市公式ホームページ
- 令和3年簡易生命表の概況|厚生労働省
- 在職老齢年金の支給停止の仕組み|日本年金機構
石倉 博子