繰り下げ受給をすることによって年金額が増えるのなら、できるだけ繰り下げたいと思うかもしれません。

しかし、増えるのは額面の受給額であり、実際はそこから税金や社会保険料が引かれて、手取りは思ったほど増えていないことにがっかりするケースもあります。

そこで、繰り下げ受給の増額を手取りで確認してみたいと思います。

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1. 繰り下げ受給で年金が最大84%の増額に

年金の繰り下げ受給が75歳まで拡大され、最大で84%の増額が可能となりました。

繰り下げは「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」で別々に繰り下げることができます。

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

繰り下げ受給の増額率=0.7%×繰り下げた月数

老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて120万円受給できる人が75歳まで繰り下げると、220万8000円に増額され、この年金額を一生涯受け取ることができます。

ただし、ここに落とし穴があります。年金収入であっても、税金や社会保険料がかかるため、手取りで考えると増額率は下がってしまうのです。