住宅ローンを繰り上げ返済してはいけない理由3.効果
場合によっては、住宅ローンの繰り上げ返済によって得られる効果より、繰り上げ返済する分を資産運用に回したほうが効果が大きいこともあります。
繰り上げ返済シミュレーション
- 当初借入元金:4000万円
- 投資借入期間:35年
- 返済済み期間:10年
- 返済方法:元利均等返済
- 借入金利:初回から1.5%
上記ケースで、500万円を繰り上げ返済した場合の効果は、次の通りです。
- 毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」:約200万円
- 返済期間を短くする「期間短縮型」:約100万円
毎月の返済額を変えずに返済期間を短くする「期間短縮型」で同額を繰り上げ返済した場合、減少する利息額は200万円以上、返済期間は5年ほど短縮できます。
一方、シミュレーション条件の金利を「0.5%」とした場合のそれぞれの利息減少額は、次の通りです。
- 毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」:約60万円
- 返済期間を短くする「期間短縮型」:約30万円
このように、繰上げ返済の方法や金利水準によって、効果は大きく異なることを認識しておきましょう。
資産運用のほうが効果が高いことも
一方で、500万円あれば、資産運用の選択肢は広がります。
年率3%で運用できれば、7年ほどで100万円増える計算です。レバレッジ効果を加えれば、さらに高利回りな資産運用方法も検討できるでしょう。
金利水準が低い今はとくに、繰上げ返済による効果は限定的です。
ただし、繰り上げ返済より資産運用を優先すべきとは断言できません。その理由は、住宅ローンの繰り上げ返済は、確実に利息負担を軽減できますが、どんな投資商品にも一定のリスクがあるからです。