3. 賃貸マンション賃料相場の推移

昨今の賃貸マンションの賃料相場がどのように推移しているのか、LIFULL HOME’S住まいインデックスから読み取ってみましょう。

上図は、LIFULL HOME’S住まいインデックスが公開している東京都の標準的な物件(築10年・専有面積70m2)の賃料推移です。AIが査定した参考価格となっています。

東京都は直近3年間で賃料が3.21%程度上昇しています。直近3年間の内訳を見てみると、初年度は0.97%、2年目は▲0.32%、3年目が2.56%。初年度・2年目はほぼ横ばいでしたが、3年目に変動していることが読み取れます。

東京都の人口増加率は全国の都道府県の中でも高い順位にあることや、特に23区は一世帯当たり人員が2人を下回る区ばかり(2022年1月1日現在)であるため、他の地域よりも賃貸需要が高いと推測できるでしょう。需要の高まりにより、賃料の値上げにつながっていることが窺えます。

なお、最も近いデータが2022年7月であるため、3年目の賃料上昇は物価上昇の影響を受けている可能性も考えられます。先ほども解説したように、家賃の値上げが検討される一般的なタイミングは退去・更新時期であることから、物価上昇と家賃の値上げはタイミングがずれる可能性が高いでしょう。今後の推移にも注目です。

参考までに、東京都の中古マンション価格の推移も見てみましょう。

東京都の標準的な中古マンション(築10年・専有面積70m2)は、直近3年間で16.7%程度上昇しています。内訳をみると、初年度は1.6%、2年目は8.37%、3年目は6.73%と上昇傾向にあることが読み取れます。このグラフからは、中古マンションにおける資産価値の高まりが窺えるでしょう。

中古マンションは物価上昇よりも前から上昇傾向にあるため、ある程度値上がりしたところで落ち着く可能性もあります。

不動産の価格変動は少なからず家賃にも影響を与えるでしょう。今後も新築マンションの価格推移とともに定期的に確認して、現状を把握することが大切です。