1. FIREするための資金づくりは楽ではなかったが…

1人目は、48歳で退職し、今は自分の好きなタイミングで働けるフリーランスとして、ゆるく仕事を続けているというAさんです。

Aさんは「FIREするうえで仕事は0か100かじゃない。あくまで仕事に縛られるという現象をなくして、自分がストレスを感じない範囲で楽しんで働くというのがFIREを目指した理由」と話します。ただ、FIREするための資金を貯めるのは、そう簡単ではなかったようです。

「自分が早く仕事をやめて自由な暮らしをしたいと思った14年前には、今のような『FIRE』という言葉はなかったけれど、30代半ばからずっと考えていた。もともと会社勤めは性に合わないというか、仕事で自分のやりたいことが後回しになるのが嫌だったから、早期リタイアを目標に貯金と投資を続けてきた」と言います。

具体的には、Aさんは毎月20万円ほどの金額を貯金に充て、ボーナスも全額貯金していたものの、「途中から、このままではいつまでたっても早期リタイアできないと思い、投資も始めた」のだそうです。

「これが意外と効果的で、ちょうどアベノミクス相場に乗れたこともあり、そこでぐっと資産がふえた。経済的に自立するのはやっぱり大変なことだと思いながら、ようやくめどが立ったので退職することにした」と振り返ります。

Aさんは大手コンサル会社で働いていたこともあり、相応の金額を貯金に回せたこと、また投資のタイミングに恵まれたことで比較的短期間でFIREを実現できたようです。