2. 早期退職募集でチャンスが巡ってきた

続いては、54歳でFIREしたBさん。Bさんはメーカー勤務でしたが、会社の経営状況が悪化して早期退職募集がかかったためにそこで退職。その後は得意の中国語を活用し、外国人向けの日本語講師として週3~4コマの講義を受け持っています。

「30代に差し掛かったあたりから中国とのビジネス機会が増えたので、一念発起して中国語を勉強した。現地で仕事をすることも多く、中国語が不自由なく話せるようになった」と、中国語を習得した経緯を話すBさん。

「自分が小さい頃、父が仕事ばかりであまり家にいないことを寂しく感じていたし、それで子ども3人を育てる母の姿も見てきた。そんなこともあり、仕事づくしで終わる人生は嫌だなぁ、65歳の定年まで40年間以上会社で働くのは御免だと思っていた」と続けます。

そんなBさんのもとに舞い込んだのが早期退職募集の知らせ。「会社で早期退職者を募っているのを見て、これはチャンスだと思い、すぐに手を挙げた。上司や部下からは引き留められたけれど、こんな待遇で早くに会社を脱出できるなんて願ってもないチャンスだと思った」のだそうです。

「妻に話したら、一人息子も社会人として働いているし、いいんじゃない?と…。妻がピアノ教師として働いていたこともあり、自分も教える仕事をしてみようかと語学学校の面接を受けに行った。現在は業務委託で週に3~4コマの授業を持たせてもらっている」

「今の収入は決して多くないけれど、楽しんで働いている。今後はコーチとして一人ひとりの生徒に寄り添って教えたり、サポートしたりする仕事も展開していきたい」と話してくれました。

Bさんの場合、共働きだったことや中国語のスキルを持っていたことなど、早期リタイアを実現するのには適した状況でした。そこにきて勤務先が早期退職を実施したことで、絶好のタイミングでFIREに踏み出せたようです。