現代の女性が「勤務先の条件」として重視するものとは?
「イマドキの女性たちも専業主婦を望んでいるのか?」という問題を考えるにあたり、経済産業省中部経済産業局の「女性の就業意識に関する調査報告書」(平成31年)が一つの参考になります。
同調査は愛知県、三重県、岐阜県、石川県、富山県の学生を除く20歳以上の女性を対象(n=1109)としていますが、女性が勤務先の条件として重視するものとして多いのは下記の5つです。
- 通勤がしやすいこと 45.7%
- 給与の額が希望に一致すること 37.2%
- 勤務時間が合う、都合に合わせて勤務できる 31.4%
- 希望する曜日が休日であること 30.4%
- 希望する雇用形態であること 27.7%
一方、同調査によると、「勤務先が希望する業種であること」と回答したのは21.7%、「希望する社風であること」については9.3%という結果に。
多くの女性たちが自分のやりたい仕事を探すというよりも、むしろ通勤しやすく、ライフスタイルに合わせて収入を得ることを求めているのがわかります。
まとめにかえて
現代社会では共働きの家庭の方が多く、既婚女性が家庭に収まるという考え方は一般化しにくいといえるでしょう。
働く女性と一括りでいっても、人によって仕事をする理由はさまざまです。たとえば、仕事を通して自己実現したい人もいれば、給与を生活費の足しにしたいと考える人もいます。
多くの人たちが経済的不況や商品の値上がり、さらには老後資金に悩む昨今、少なくない女性たちが家計を支えるために働いているといえるのではないでしょうか。
参考資料
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構「図12 専業主婦世帯と共働き世帯」
- 厚生労働省「2019年国民生活基礎調査Ⅱ 各種世帯の所得等の概況」
- 国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
- 内閣府男女共同参画「結婚と家族をめぐる基礎データ」
- 経済産業省中部経済産業局「女性の就業意識に関する調査報告書(平成31年)」
西田 梨紗