3. 「固定残業代制度」の問題点とは
基本給に固定残業代を含める求人票は禁止されており、ハローワークでも受け付けられません。
労働基準法では違法とされており、労働基準監督署も次のようなパンフレット作成して厳しく取り締まっているのですが、なかなか撲滅されていないのが実情です。
【固定残業代 を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします】
(抜粋)
固定残業代制を採用する場合は、募集要項や求人票などに、次の①~③の内容すべてを明示してください。
- ① 固定残業代を除いた基本給の額
- ② 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
- ③ 固定残業時間を超える時間外労働、 休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨
それだけ、人件費を固定で抑えられる制度に魅力を感じる経営者がいるのでしょう。
なお、固定残業代制度について次のようなメリットがあると主張する人もいます。
- 毎月の残業計算が楽になる
- 残業しない月でも定額の残業代がもらえるので労働者に有利な面もある
もっともな意見のようにも思われますが、少し無理があるようにも思われます。
昨今では、勤怠管理ソフトを導入する企業も増えており、社員の勤務時間の管理や計算も容易にできるようになっています。
また働き方改革で、残業をできるだけなくす方向で動いている中、一定の残業時間をあらかじめ組み込んでいるのは、時代の流れと逆行する動きとなります。
私の経験上、大量の離職者がいる、労使間でトラブルが発生したという企業は、固定残業代制度を導入していました。