もうすぐ入社の季節。異動などもあり社内の雰囲気が変わるこの時期は、普段よりも年収について考える機会が増えますね。

中には、「年収600万円ぐらいだったらもう少しゆとりのある暮らしができるのに」と考える方もいるでしょう。日本で最も多い年収帯はいくらか、ご存知でしょうか。

今回は年収600万円に視点を当てて人数や手取りなどをみていくとともに、日本で最も多い年収帯も確認します。

年収600万円台は男性で9.2%

日本の年収について確認するために、国税庁の「令和2年分(2020年)民間給与実態統計調査」を参考に、給与階級別の給与所得者数を確認しましょう。

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出典:国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」

出典:国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」


上記を見ると、全体の5244.6万人中、年収600万円台は全体で「339.5万人(6.5%)」。

男性は「282.1万人(9.2%)」女性は「57.4万人(2.6%)」でした。男性は約1割、女性になるとかなり少数派ですね。

「年収600万円以上」で見ると、全体で20.1%。男性は29.7%、女性は6.4%です。

男性であれば年収600万円以上はおよそ3人に1人と達成する可能性も高いですが、女性は厳しいでしょう。

日本で最も多い年収帯はいくら?

では、先ほどの資料より日本で最も多い年収帯を確認していきます。

全体では「300万円超400万円以下・913万人(17.4%)」「200万円超300万円以下・814.2万人(15.5%)」「400万円超500万円以下・764.3万人(14.6%)」の順で、年収300万円台の人が多い結果となりました。

男性は「300万円超400万円以下・538.1万人(17.5%)」「400万円超500万円以下・531.1万人(17.3%)」「500万円超600万円以下・413.8万人(13.4%)」。

女性は「100万円超200万円以下・508.1万人(23.4%)」「200万円超300万円以下・461.7万人(21.3%)」「300万円超400万円以下・374.9万人(17.3%)」と、全体的に男性に比べると年収が低くなっています。

同調査によると、日本の平均年収は平均433万円。正規・非正規ごとに、平均給与を男女別で確認しましょう。

正規

平均給与:496万円

  • 男性平均:550万円
  • 女性平均:384万円

非正規

平均給与:176万円

  • 男性平均:228万円
  • 女性平均:153万円

平均年収で見れば、年収600万円は平均より上であり、中流階級ともいえるでしょう。

ただし年収は年齢によるところも大きく、男性であれば45~59歳で平均年収600万円を超えます。

業種によっても異なり、平均年収で600万円を超えるのは「電気・ガス・熱供給・水道業(715万円)」「金融業・保険業(630万円)」「情報通信業(611万円)」。

年収600万円以上を目指すには、年齢や業種、また企業規模などによっても違いがあるでしょう。

手取りは月約33万円も、ゆとり度は個人差あり

年収600万円台の場合、手取りはいくらでしょうか。国税庁の調査の「第3表 給与階級別の総括表」より、年収600万円台の方の詳細を確認します。

  • 平均年齢:46.6歳
  • 平均勤続年数:17.7年
  • 平均給料・手当:524万円
  • 平均賞与:122万8000円

平均給与(年収):646万8000円

平均年収は約646万円で、月の額面給与は約43.6万円。社会保険料や税金等を抜くと、月の手取りは個人差ありますが33万円ほどと考えられます。

月33万円の手取りなら、たしかに独身であればゆとりのある生活ができるでしょう。

ただ結婚してお子さんが生まれた場合、子どもの人数や居住形態、お住まいの地域、またどれだけ教育費をかけるかによっても生活水準は異なります。計画的なマネープランを立てなければまとまった貯蓄ができない場合もあるでしょう。

年収の違いが将来の年金額に影響することも

年収について考えるときには今の生活ばかり考えてしまいますが、余裕ができたら考えたいのが将来の年金です。

会社員や公務員などが加入する「厚生年金」は、加入月数や収入に応じて納めた保険料により、将来の受給額が変わります。厚生年金の場合、今の収入が将来の年金額に影響する面もあります。

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、今のシニア世代の厚生年金の平均月額は以下の通り。

厚生年金の平均月額

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

受給分布図をみてみると、1万円未満から30万円以上までバラつきがあります。

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出典:厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

出典:厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

男性のボリュームゾーンはひと月15~20万円、女性は7~12万円。収入が少なければ、将来の厚生年金額も少なめになる可能性があります。

その場合、私的年金や貯蓄など、他の方法で備える必要があるでしょう。その必要性については、早いうちから気づいて対策をとっておきたいものです。

すぐに年収を上げることは難しいですが、日本の平均年収や将来の年金額を知ることで、現状を省みるきっかけになります。年収、さらには働き方や老後について、これを機に考えてみましょう。

参考資料

宮野 茉莉子