雇用保険法改正の背景

少子高齢化の影響で労働人口の減少が課題となる一方、65歳以上の労働者数は増加しています。公的年金の繰り下げによって、シニア層の働く時間が増加したことも一つの要因です。
 
こうした動向を踏まえ、高齢者の活躍を促進する目的で法改正が行われました。過去にも高年齢者雇用安定法が改正され、事業者側に70歳までの就業機会の確保を要請しています。
 
高齢者を取り巻く労働環境を整備する動きは年々高まっているのです。

自動的に雇用保険加入とならない点に注意

条件に該当する高齢者は、雇用保険加入の旨を直接事業所に申し出る必要があります。これまでのように労働者の意思に関係なく自動的に加入とならないので注意しましょう。
 
また事業主はこの件を申し出た労働者に対し、解雇や不利益な取り扱いをしてはならないとされています。

雇用保険マルチジョブホルダー制度の申請方法

雇用保険マルチジョブホルダー制度の手続き方法は以下の手順で行います。

1.近くのハローワークまたは厚生労働省HPから「雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格取得届」(マルチ雇入届)、個人番号登録・変更届、被保険者資格取得時アンケートの3点を入手。

2.加入を希望する事業所分のマルチ雇入届の、申出人記載事項に記入をする。

3.事業所ごとにマルチ雇入届の記入と確認資料の交付を依頼する。

4.事業主がマルチ雇入届を記載したら、申出人の住居所を管轄するハローワークに以下の書類を提出する(郵送可)

  • 事業主から交付されたマルチ雇⼊届と確認資料(事業所数分)
  • 個人番号登録・変更届 
  • 被保険者資格取得時アンケート 
  • 本人確認資料と個⼈番号の確認できる資料

    出所:厚生労働省「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要(高年齢被保険者の特例)」

一般的な雇用保険とは異なり、申請書類は自ら用意し事業主に必要事項を記入してもらう必要があります。