65歳以上で雇用保険に加入できる条件

改正雇用保険法では、以下の条件を満たす65歳以上の兼業・副業者が雇用保険に加入できるようになりました。

  • 2つ以上の事業所で雇用されていること
  • それぞれの事業所で一週間に働く時間が20時間未満であること
  • 複数の事業所で働いた時間(1事業所につき5時間)の合計が20時間以上であること

 つまりA社で10時間・B社で10時間働く場合、どちらか一方もしくは両方の事業所で雇用保険に加入できるようになったのです。

このように条件を満たした高齢者が特例で雇用保険に加入できる制度を「雇用保険マルチジョブホルダー制度」といいます。
 
雇用保険に複数加入した状態で一方を失業した時は、該当する事業所の賃金に応じた金額が算出・給付されます。

出所:厚生労働省「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要(高年齢被保険者の特例)」

なお同時に複数の事業所を辞める際、退職理由がそれぞれ異なる場合は、給付制限がかからない事業所から一本化して給付されます。
 
高齢者が加入するメリットとしては、やはり豊富な種類の給付を受けられる点でしょう。再就職支援だけでなく配偶者が介護状態になった時に介護給付も受けられるので、生活の助けになります。一方、教育訓練給付など年齢制限で支給されないものもあるので注意して下さい。